今回ご紹介するのは

京都の雛祭り(ひなまつり)には

欠かせない伝統菓子の1つ


引千切(ひちぎり)

引千切(ひちぎり)です!


京都では、雛祭りになると

引千切を食べる習慣があるんですね~


雛祭りの行われる3月3日は
古くは上巳(じょうみ・じょうし)の
日といって、中国では、川に入って身を清め
穢れ(けがれ)を祓う日であったそうです


その後、平安時代に

遣唐使(けんとうし)によって日本へ

その風習が伝えられると

日本にもともとあった厄祓いと結びついて

宮中行事となったんですね


平安貴族の女性や子供らの間では
自身の1年の汚れや穢れを移した
『雛人形(ひなにんぎょう)』を川に流す
『ひなあそび(人形を使った遊び)』も
行われました


京の流しびな

下鴨神社(しもがもじんじゃ)行われている古来の風習に基づいた「京の流しびな


そして宮中行事の際に
子供らの健やかなる成長を願う
お菓子として『引千切』が
誕生しました


老松(おいまつ)の引千切

老松(おいまつ)の引千切


引千切とは、餅を丸く伸ばしてくぼみを作り
そこに餡やきんとんを乗せた
上生菓子(じょうなまがし)の事で
餅の先端を引きちぎったような
杓子状(しゃくしじょう)をしている事から
『引千切』と名付けられ
『ひっちぎり』とも呼ばれているんですね

※上生菓子とは、上等の生菓子の事。


また、この見た目が

阿古屋貝(あこやがい)に似ている事から

『あこや餅』とも呼ばれています!


末富(すえとみ)の引千切

末富(すえとみ)の引千切


それにしてもどうして

こんなユニークな形になったんでしょう?


これには理由がありまして・・・


実は宮中で、人手が足りない時に
お餅を丸める手間を惜しんで
引きちぎったから!と
いわれているんですね~


本来であれば引きちぎった後に

きちんと丸めなければ

ならなかったんですけれど

その手間を惜しんだおかげで

このようなユニークな形に

なれたというワケなんです


そんな引千切は
『戴餅(いただきもち)の儀式』が
ルーツといわれています


戴餅の儀式は、平安時代お正月の三が日に

女子は2~5才、男子は2~7才くらいまでの

子供の頭に丸く平らなお餅を乗せ(戴せ)

成長や出世を願う成育儀礼の1つでした


儀式の際、子供らは

「才学は祖父の如く、文章は父の如かれ」

と唱えたというんですね


その戴餅の儀式で使われていた
お餅に餡を乗せたものが
引千切といわれているんですよ


さて、その引千切の色や形は

お店によって随分と違っていて

お餅は、白餅や蓬餅(よもぎもち)

餡は、粒餡、こし餡といった具合で

バラバラなんですね~


けれどそれがお餅を選ぶ時に

楽しみだったりするんですよね


以下に京都の和菓子屋さんの

引千切の写真をいくつか載せておきます


■老松(おいまつ)


老松の引千切

■笹屋伊織(ささやいおり)


笹屋伊織の引千切

■末富(すえとみ)


末富の引千切

という事で今回は京都の雛祭りに欠かせない

伝統菓子の1つ、引千切をご紹介しました!

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