今回ご紹介するのは
京都市右京区の鳴滝(なるたき)にある
了徳寺(りょうとくじ)で行われた
大根焚(だいこだき)です!
了徳寺の大根焚は
毎年12月9日と10日に了徳寺で行われる
報恩講(ほうおんこう)の際に
大鍋で焚いた約3000本の大根を
参詣者(さんけいしゃ)に振舞っている
行事なんですね
大根は『だいこん』と読むのではなく
『だいこ』なんですよ♪
なんだかかわいいですよね!
大根焚で使われるカットされた大根
これは京都で、その昔
大根の事を『だいこ』と呼んでいたからなんです
ちなみに報恩講とは
浄土真宗を開いた親鸞(しんらん)の
ご恩に報い、感謝する
報恩謝徳(ほうおんしゃとく)の為に
行われる法要で
浄土真宗の寺院では
親鸞の命日である11月28日前後に
行われています
もちろん了徳寺も
浄土真宗のお寺なんですよ
了徳寺
了徳寺は、1524年(大永4年)に
正西(しょうせい)によって
親鸞にゆかりのあるこの場所に創建された
浄土真宗の宗派の1つである
真宗大谷派(しんしゅうおおたには)のお寺です
そして了徳寺で振舞われる大根焚も
起源は親鸞が関係しているんですね
鎌倉時代の1252年(建長4年)に親鸞が
師である法然(ほうねん)の旧跡を訪ねて
愛宕山(あたごやま)の山中にある
月輪寺(つきのわでら、がつりんじ)を訪れた帰り
この地に滞在し、説法をしたそうです
了徳寺境内にある親鸞の像
その説法のお礼にと村人達は
他に何もおもてなしするものが無かったので
塩味の大根を煮て捧げたというんですね
これに親鸞は大変感動したらしく
後世の形見として庭前にあった
『薄の穂(すすきのほ)』を束ねて筆とし
『阿弥陀如来に身を委ね、心の拠り所とする』
という意味の
『帰命尽十方無碍光如来
(きみょうじんじっぽうむげこうにょらい)』
の10文字の名号を書いて、与えたといわれています。
了徳寺のすすき塚
それ以降、この10文字の名号は
『すすきの名号』と言われ
了徳寺では、すすきの名号に感謝して
毎年、報恩講が行われるように
なったそうです
そしてその時の精進料理が
やがて大根焚として
広まっていったんですね
今では、了徳寺は
『鳴滝の大根焚寺
(なるたきのだいこだきでら)』
とも呼ばれているんですよ
「大根焚寺」と刻まれています。
それでは早速、レポートしていきましょう
午前11時頃、了徳寺を訪れると
境内にはすでに多くの方で賑わっていました
と言いますのも、大根焚は
午前9時から始まっているからなんですね~
じゃあどうして11時頃にやってきたのかと言いますと
11時から本堂で
報恩講が始まるからなんです
しばらくすると、お坊さんが来られて
報恩講が始まります!
報恩講の様子
ちなみに大根焚は、報恩講の最中も
本堂の中で食べる事が出来るんですね♪
つまり、法要を聞きながら見ながら
大根焚が頂けるというワケです
券と説明書きとお箸
という事で大根焚を
法要の最中に頂いちゃいました
大根焚は、本堂前で券を購入して
後は席について待っているだけで運ばれてきます!
本堂前で券が売られています。
頼んだのは『お斎(おとき)』といって
大根焚とかやくご飯のセット
お斎(おとき)
大根の葉のおひたしと
沢庵漬け(たくあんづけ)が
付いてくるんですよ
親鸞が食べたのは
塩味の大根焚ですけれど
振舞われているのは
醤油で味付けした大根焚です!
けれど本堂に安置されている親鸞の木像には
今でも塩味の大根焚が
お供えされているんだそうです
ちなみに大根焚で使われている大根は
京都府亀岡市の篠町(しのちょう)で作られた
貴重な青くび大根なんですね。
青くび大根
大根焚では、その青くび大根を輪切りにして
揚げどうふが添えられています
大根焚
実際に食べてみると・・・
薄味に味付けされた熱々の大根が
柔らかくてとっても美味しいっ!
ちなみにこの大根焚を食べると
中風にならないといわれているんですね
親鸞に捧げられてから
ずっと今日まで途切れる事なく
続いている大根焚は
俳句の季語にもなっているくらい
冬の風物詩として知られています!
ご興味のある方は一度
鳴滝の大根焚を味わってみてはいかがでしょうか♪
という事で今回は了徳寺の
大根焚をご紹介しました
了徳寺の場所はコチラ↓