今回ご紹介するのは
京都市上京区の西陣(にしじん)にある
鶴屋吉信(つるやよしのぶ)の
京観世(きょうかんぜ)です!
鶴屋吉信は、江戸時代の1803年(享和3年)に
初代である鶴屋伊兵衛が創業した
『鶴屋』に始まる老舗和菓子屋店です
鶴屋吉信(つるやよしのぶ)
もともとは堀川上立売下ル北船橋町に
お店があったそうなんですけれど
先の大戦の最中、強制疎開で壊されてしまい
戦後、現在地へと移ってきたそうです
1854年(嘉永7年)に
京都所司代(きょうとしょしだい)に
認可された株仲間(かぶなかま)である
上菓子仲間に所属し以来、京都御所や宮家
茶道家元にお菓子を納めてきました
※上菓子仲間とは、江戸時代中期の1775年(安永4年)に菓子業者が増加してきたのに対し、輸入砂糖配分の為に結成された、江戸時代における同業者組合。幕府は独占権を与える代わりに、砂糖冥加金(さとうみょうがきん)といった税を納めさせた。
その後、3代目の頃に
屋号を『鶴屋吉信』と改めました
鶴屋吉信の『吉』は、吉兆を
『信』は、信用を意味しているそうですよ
鶴屋吉信の鶴の紋
また、代々伝えられる家訓の第1条には
『ヨキモノヲツクル為ニ材料
手間ヒマヲ惜シマヌ事』
と書かれているそうで
その戒めを守り続け200年以上続く
鶴屋吉信の今日があるんですね
そんな鶴屋吉信には
人気の和菓子がいくつかあるんですけれど
今回は、4代目、稲田儀三郎が考案した
『京観世』をご紹介したいと思います
鶴屋吉信の京観世
京観世は
1920年(大正9年)から発売された
外側に村雨(むらさめ)のそぼろ餡
内側に大納言(だいなごん)のつぶ餡
の2種類の餡で渦巻状に作られた
羊羹(ようかん)なんですね~
京観世の入った箱
京観世という名前は
鶴屋吉信本店近くにある
観世稲荷社(かんぜいなりしゃ)の
観世井(かんぜい)の
『観世水(かんぜすい)』から
取られたんだそうですよ
観世稲荷社(かんぜいなりしゃ)
能楽で知られる観世家(かんぜけ)の屋敷内に
鎮守社として、お祀りされていたんですね
※観世稲荷社や観世家について詳しくは、観世稲荷社の記事をご覧下さい。
観世井には
ある伝承がありまして・・・
観世井(かんぜい)
ある時、一天(いってん)にわかに
掻き曇る(かきくもる)と
龍が降り、井戸の中に入ったと
伝わっているんですね
つまり!空全体が突然暗くなって龍が現れ
そのまま井戸の中に入ったというワケです!
それ以来、井戸の水面が
常にゆれ動いて波紋を描くようになったそうです
そして、この波紋を模した和菓子が
鶴屋吉信の京観世なんですね~
観世井の波紋を模した京観世
さて、実際に京観世を食べてみると・・・
餡がぎっしりと入っているのに
甘さが控えめで上品な味わい!
口の中に入れると
小豆が口の中いっぱいに広がって
とっても美味しいんです
見た目も味も両方楽しめる
お茶にとっても合うお菓子ですよ~♪
ちなみに鶴屋吉信本店2階には
目の前で和菓子作りの実演をしてもらえる
お休み処
『菓遊茶屋(かゆうぢゃや)』
が人気です
京都のお菓子の魅力を伝えながら
出来立ての生菓子を頂く事が出来ちゃいますので
一見の価値ありです!オススメですよ~
という事で今回は
鶴屋吉信の京観世をご紹介しました
鶴屋吉信本店の詳しい場所はコチラ↓