今回ご紹介するのは

京都市南区の上鳥羽(かみとば)にある


實相寺(じっそうじ:実相寺)

實相寺(じっそうじ:実相寺)です!


こちらの實相寺は

山号を正覚山という日蓮宗のお寺で

1364年に日像(にちぞう)の

弟子にあたる妙実が開創をし

その後、妙覚寺(みょうかくじ)の

隠居所となったそうです


正覚山と書かれた額

本堂に掛けられている正覚山と書かれた額


創建当初は真言宗の寺院だったみたいですよ


妙実は、1352年の夏の日照りの際に
勅命によって桂川(かつらがわ)の
鍋ヶ淵(なべがふち)で僧100人による
請雨(しょうう:雨乞い)の祈祷を行い
その時、大いに効果があった事から
實相寺を開創するに至ったそうです


表札

ちなみに日像と言えば

京都の夏の風物詩である

五山の送り火で点火される『妙法』

『妙』の字を書いた人物として有名です

※五山の送り火について詳しくは、大文字 2010大文字 2011の記事をご覧ください。


中世に入ると不受不施派

(ふじゅふせは)に連座した事で弾圧を受け

その後、約50年間は

回復する事はありませんでした

※不受不施派とは、日蓮宗不受不施派以外の宗派や僧侶には施しをせず、また施しを受けないという団体の事。


そして江戸時代、京都出身の俳人

歌人として知られる

松永貞徳(まつながていとく)の兄が

住職となってから

お寺は再興したといわれているんですね


梵鐘

境内にある梵鐘


松永貞徳が亡くなった後
松永貞徳の菩提寺となったそうで
旧宅である『蘆の丸屋(あしのまろや)』を
移建したともいわれています


その後、蘆の丸屋は

第二室戸台風等で倒壊し

再建はされてはいません


それでは早速、中に入っていきましょう


山門

山門


まず、こちらの山門をくぐると

目の前には本堂があります


本堂

本堂


こちらの本堂の中には
ご本尊である十界大曼陀羅
(じっかいだいまんだら)が
安置されているんですね


また、妙実が祈雨祈願の際に

造ったとされる木像の

日蓮坐像(にちれんざぞう)も

安置されているそうですよ


この日蓮坐像は
妙実が祈雨祈願の際に
お伺いを立てたところ
なんと3回うなずいたといわれ
この事から『日蓮うなずきの像』とも
呼ばれているんですね~


雨乞い祈願成就の伝承が刻まれた卒塔婆

雨乞い祈願成就の伝承が刻まれた卒塔婆


そしてその本堂の左手には

大きな卒塔婆が建っていて

これには雨乞い祈願成就の伝承が

書かれているものなんだそうです


こちらは境内で保存されている
車石(くるまいし)です


車石

車石


車石というのは
輪型石(わがたいし)ともいわれる
牛や馬が引く牛馬車の
車輪の幅に合わせて造られた
凹状の舗石の事なんですね♪


写真をよく見ると

真ん中がへこんで溝が出来ているのが

わかるかと思います


凹状の舗石

凹状の舗石


この車石を道路に二列敷いて

その上を牛馬車が通ったというワケです


牛車が車石の上を通っている様子

牛車が車石の上を通っている様子が描かれています。


土道であった為に
車石が無かったときは
雨でも降って道がぬかるんでしまうと
牛馬車がスムーズに
通る事が出来なかったみたいなんですね。


そこで車石を敷いておけば

雨の日にたとえ道がぬかるんだとしても

スムーズに道を通る事が出来るというワケです


これはとっても便利な

アイテムじゃないでしょうか♪


そして最後にご紹介するのは

境内墓地にある

松永貞徳のお墓です


逍遊軒貞徳居士と刻まれています。

逍遊軒貞徳居士と刻まれています。


という事で今回は

南区の上鳥羽にある實相寺を

ご紹介しました~


實相寺の場所はコチラ↓

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