今回ご紹介するのは
京都市上京区の西陣(にしじん)にある
千本ゑんま堂(せんぼんえんまどう)で行われた
風祭り(かぜまつり)です!
風祭りは
7月1日から15日まで行われ
本堂に安置されているご本尊
閻魔法王像(えんまほうおうぞう)のライトアップや
古式ゆかしい七夕祈願である梶の葉祈願(かじのはきがん)
そして、お香の香りを楽しむ聞香(ききこう、もんこう)等が
体験出来るんですね~
風まつりと書かれた行灯
また、色んな場所に風鈴が飾られ
夜風とともに涼しい音色が感じられます
風鈴
それでは早速、レポートしていきましょう
まず、風祭りに参加するには
事前に受付を済ませておく必要があります。
※受付は午後18時30分から行われています。
受付で梶(かじ)の葉をもらい
こちらに願い事を書くんですよ
梶(かじ)の葉
えっ!葉っぱに直接書くの!?
と思うかも知れないんですけれど
平安の昔、七夕の際に
梶の葉に墨で恋歌を書き
水をはった小さなたらいにそれを浮かべ
そこに月を映すと、その恋は成就すると
いわれていたんですね~
これは現在の
笹竹に短冊を吊るす七夕飾りが
当たり前になる以前の祈願方法なんだそうです
昔は今と違って、紙が貴重な物で
簡単には手に入るものではありませんでした。
そこで紙の代わりに
梶の葉が使われていたというワケなんです
ちなみに冷泉家(れいぜいけ)の
旧暦7月7日の七夕の祭事である
乞巧奠(きっこうてん)でも
古式にならって梶の葉が
使われているみたいですよ
梶の葉に願い事を書いた後
本堂の中に入り、風祭りが始まるのを待ちます。
本堂内
そして午後19時になると
いよいよ風祭りが始まるんですね♪
ちなみにどうして19時から始まるのかと言いますと・・・
それは千本ゑんま堂を開創した
小野篁(おののたかむら)に由来しています。
小野篁は、平安時代前期の公卿(くぎょう)で
文武に優れ、遣唐副使にも選ばれるエリートだったんですよ
風を受けて、袖がなびいている珍しい小野篁立像
百人一首にも彼の和歌が残されているので
その名前を知っている方も多いのではないでしょうか
そんな篁なんですけれど
今昔物語集(こんじゃくものがたりしゅう)
によれば、篁はなんと
閻魔法王の裁判補佐を
していたらしいんですね
閻魔法王と言えば、あの世で裁きをしている
嘘をついたら舌を抜くというあの閻魔様です
篁は、閻魔法王から『精霊迎えの法』を授かり
塔婆供養と迎え鐘によって
先祖を現世に迎える精霊迎えの法を行う
根本道場として千本ゑんま堂を
創建したそうですよ
※千本ゑんま堂の正式名称は、引接寺(いんじょうじ)です。
篁は風に乗って、あの世とこの世を行き来し
昼は宮中で、夜は閻魔宮に仕えていたと
いわれているんですね
そんな彼が昼間の仕事を終えて
夜、閻魔宮にお仕えになる時間が
19時だったみたいです!
ですから、千本ゑんま堂では
篁にちなんで風祭りを
19時から始められるんだそうですよ♪
19時になると
お坊さんが来られて法要が始まります
青いライトアップ
法要開始直後の閻魔法王には
青いライトが当たって幻想的な雰囲気となっていました
法要が始まり、しばらくすると
閻魔法王の青かったライトが一変して
真っ赤なライトに変わります!
赤いライトアップ
普段でも怖い顔をしている閻魔法王が
より一層怖い顔に見えますよね・・・
そして先程、受付で願い事を書いた
梶の葉を手に持ち
参拝者が順番に閻魔法王にご焼香をあげます。
閻魔法王にご焼香をあげる様子
この時、願い事の書いた梶の葉を
ご焼香の煙にかざして煙を当てるんですよ
その後、本堂での法要が終わり説法を聞いて
本堂前に設けられた糸に梶の葉を吊るします!
本堂前に吊るされた梶の葉
ちなみに梶の葉に願い事を書いたんですけれど
一晩経つとこの梶の葉が乾燥して
字は誰にも読めなくなるそうです
じゃぁ願い事はどうなるの~?と思いますよね。
そこは心配しなくても大丈夫なんです♪
人には読めなくても閻魔様には
ちゃーんと願い事が届いているんですね!
閻魔様と自分だけにわかる願い事なんです
梶の葉祈願をした後は
境内の茶室・ふりん堂に移動をし
ふりん堂
そこで甘茶の接待を受け
その後、聞香を体験する事が出来ます!
甘茶
お香が初めての方でも
優しくわかりやすく教えて頂く事ができ
また、難しい作法を気にしなくてもよかったので
楽しみながら体験する事が出来ましたよ
香道具
風の涼しさや風鈴の音色
そしてお香の香り・・・
夏の夜を風流に楽しむ事が出来ました♪
ライトアップされた千本ゑんま堂と梶の葉
そんな風祭りの行われた
千本ゑんま堂の場所はコチラ↓