今回ご紹介するのは
京都市東山区の馬町(うままち)にある
![三嶋神社(みしまじんじゃ)](2015/06/22/01/2015-06-22-1.jpg)
三嶋神社(みしまじんじゃ)です!
三嶋神社は
渋谷街道(しぶたにかいどう)という
京都と山科を結ぶ通りの
山科方面へと進んだ途中の住宅地にあるんですね
平安時代、後白河天皇
(ごしらかわてんのう:第77代天皇)の中宮であった
建春門院(けんしゅんもんいん)滋子(しげこ)は
男の子が出来なかったのをいつも嘆いていたそうで
三嶋大神が子を授ける神様である事を知り
それ以降、摂津国嶋下郡(現在の大阪府高槻市)の
三嶋大神を篤く崇敬していたそうです
![鳥居の額](2015/06/22/01/2015-06-22-2.jpg)
そんなある時、彼女が寝ていると
夢の中に白衣の翁が現れて・・・
「そなたに男児を授けよう!
その代わり、京の巽(たつみ:南東)の方角に
三嶋大明神を祀りなさい。」
とのお告げを授けられたというんですね~
その後、間もなく懐妊し、後の高倉天皇
(たかくらてんのう:第80代天皇)を
お産みになったといわれています
これはすごいご利益ですよね
この事から三嶋神社は子宝に恵まれると信じられ
禁裏中宮女官をはじめ、庶民にいたるまで
深く崇敬されたそうですよ
※安産四十一社の1つにも数えられているそうです。
![こま札](2015/06/22/01/2015-06-22-3.jpg)
子が出来た事を大変喜んだ後白河天皇は
1160年(永暦元年)
平清盛(たいらのきよもり)の嫡男である
重盛(しげもり)に命じて
摂津国嶋下郡からこの地
朝岡山小松ヶ谷(三嶋嶽)に
三嶋大明神の分霊を勧請し
都の巽の方角の守護神として
三嶋神社の社殿を創建したんですね
これが三嶋神社のはじまりというワケです
※重盛が創建した唯一の神社なんだそうです。
そんな三嶋神社は
『うなぎ神社』とも呼ばれ
神様のお使い(神使)が
鰻(うなぎ)なんですね~
と、その事はまた後ほど触れるとして
早速、中に入っていきましょう
![鳥居](2015/06/22/01/2015-06-22-1.jpg)
鳥居をくぐると細い参道があります
かつての三嶋神社は
広い境内だったようですけれど
現在は、住宅地の中にある小さな祠といった印象です。
※現在の社殿は2000年に土地を手放された後、2002年に地主さんによって再建されたもののようです。
こちらは参道の途中にある
揺向石(ようこうせき)です。
![揺向石(ようこうせき)](2015/06/22/01/2015-06-22-5.jpg)
揺向石(ようこうせき)
説明書きを読んでみると
牛若丸(うしわかまる:のちの源義経(みなもとのよしつね))が
三嶋神社を訪れた際、夢の中に現れた翁に
「早々に奥州に行きなさい!」との
お告げがあったという事が書かれていて
義経は夢から覚めた後
翁の立っていた場所をあらため
この石が見つかったみたいです
それ以降、妊婦が三嶋神社に参拝をして
男児を授かるように祈願してから石に触れ
お腹を撫でるとなんと!
牛若丸のように立派な男児が
授かるといわれているんですね~
世のお母さん方なら
義経のように強く立派に育って欲しいと
願うはずですよね~
そしてその揺向石の奥にあるのが
本殿になります。
![本殿](2015/06/22/01/2015-06-22-6.jpg)
本殿
本殿には御祭神である
大山祗大神(おをやまづみのおをかみ)
天津日高彦火瓊々杵尊(あまつひだかひこほのににぎのみこと)
木之花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)
がお祀りされています
![本殿正面](2015/06/22/01/2015-06-22-7.jpg)
本殿正面
また、相殿には
宇迦能御魂大神(うかのみたまのおおかみ)
天照皇大神(あまてらすすめおおかみ)
素盛鳴尊(すさのをのみこと)
軻遇突智神(かぐつちのかみ)
猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)
菅原道真(すがわらのみちざね)
をお祀りしているそうですよ。
ちなみに大山祇大神の使いが
冒頭でも触れました鰻なんですね~
神社の絵馬にも鰻が描かれています!
![奉納された絵馬](2015/06/22/01/2015-06-22-4.jpg)
奉納された絵馬
なんでも三嶋神社の三という字は
土・火・水の3つの御神徳を表しているとされ
この3つを持っているのが鰻なんですね!
江戸時代、食物について書かれた
本朝食鑑(ほんちょうしょっかん)によれば
鰻を食べれば、腸の活動を盛んにして
体温保ち、痩せすぎを防ぎ
風邪を退け、五痔を治し
皮膚の疾患である悪瘡(あくそう)を除き
体の中の虫を殺し
子供の疳の虫を封じるそうです。
けれど一方で妊婦には強いので
みだらに食べてはいけないとも書かれているんですね
この事から三嶋神社では
妊婦が祈願する際には
鰻を絶って鰻絵馬を奉納し
安産成就祈願をするそうです
また、鰻の絵馬にはそれぞれ意味があって
鰻が3匹描かれた絵馬は安産祈願
鰻が2匹描かれた絵馬は子授祈願との事です。
![鰻の絵馬](2015/06/22/01/2015-06-22-9.jpg)
そして子供を産んだ後には
鰻を食べて、産後の回復に努めるんですね
そんな三嶋神社では、毎年10月26日に
『鰻放生大祭
(うなぎほうじょうたいさい)』
が、かつて三嶋神社の近くに建っていたといわれる
瀧尾神社境内、三嶋神社の祈願所で行われ
殺生をつつしみ、鰻の霊を弔う為に3匹の鰻を放ちます!
![鰻放生大祭](2012/10/26/01/2012-10-26-6.jpg)
鰻放生大祭の様子
これと同時に、鰻に感謝し
うなぎ業者の商売繁盛が祈願されるんですね
※鰻放生大祭について詳しくは、鰻放生大祭 2012(三嶋神社祈願所)の記事をご覧下さい。
というワケで今回は
三嶋神社をご紹介しました~♪
三嶋神社は小さな神社ではありますけれど
近年、秋篠宮殿下がお越しになった事で全国的に
大変知られるようになったんですよ~!
ご興味のある方はもちろんの事
妊婦の方や子宝に恵まれない方は
是非1度お参りしてみてはいかがでしょうか
そんな三嶋神社の場所はコチラ↓