今回ご紹介するのは

京都市下京区にある


冠者殿社(かんじゃでんしゃ、かじゃでんしゃ) Kanjadensha Shrine

冠者殿社(かんじゃでんしゃ、かじゃでんしゃ)です!


冠者殿社と首を傾げる人も

多いと思うんですけれど

結構、大勢の方が

知らず知らずの内に前を通っているんですよ~


冠者殿社の鳥居 Torii gate of Kanjadensha Shrine

鳥居 Torii gate of Kanjadensha Shrine


冠者殿社の場所は

京都のメインストリートの1つ

四条通に面していてバス停前にあり

観光客で賑わう新京極や寺町商店街の

界隈にあるんです


冠者殿社の東には

八坂神社御旅所があるんですよ


八坂神社御旅所 Yasaka Shrine Otabisho

八坂神社御旅所 Yasaka Shrine Otabisho


そんな繁華街で賑わう場所にある
冠者殿社は、官社殿社とも書かれる
八坂神社(やさかじんじゃ)の境外摂社で
古くから京都の商売人や遊女からの信仰が篤く
誓文払い(せいもんばらい)や
誓文返しの神様として知られているんですよ

※誓文とは、誓いの言葉や約束といった意味です。


こま札

こま札


商売の基本は

安く仕入れて高く売る!

これが鉄則ですよね


商いなんだから普通の事だと思いますけれど
昔の商人達は利益を得る事に
罪の意識を感じていたそうです


また、遊女は馴染みのお客さんを

引き止める為に偽りの恋文を書く事があったそうです


今でいうならお客さんを引き止める為に

思ってもないメールするといった所でしょうか


冠者殿社では、商売の上でお客さんを欺いたり
嘘をついたりして感じた罪の意識を
祓ってくれるというワケなんですね~♪
それを誓文払いというんです


ちなみに江戸時代には

10月20日に盛大な誓文払いが行われていたそうで

神事の後、罪滅ぼしとして大安売りが

行われていたそうです


この風習は商売人の間で評判となり
その後、全国に広がったといわれ
歳末大安売りの起源とされているんですよ。


遊女の間で行われていた誓文払いは

現在、芸舞妓さんの間で行われる

『無言詣(むごんまいり)』という形で

残っていたりするんですね~

※無言詣とは祇園祭の神幸祭(しんこうさい)で御旅所に神輿が安置された日から還幸祭(かんこうさい)の前日までの7日間四条大橋から御旅所まで出向き毎日、無言で(誰とも話さずに)お参りをすると願い事か叶うというものです。


説明書き

さて、そんな誓文払いで知られる冠者殿社の

創建ついては詳しくわかっていないそうなんですけれど

もともとは烏丸通高辻の大政所町にあった

大政所御旅所(おおまんどころおたびしょ)にあったそうです


1591年(天正19年)に

樋口(万寿寺通)高倉(現在の官社殿社町)に移され

その後、江戸時代の初め頃に

現在地に移されたといわれています


こちらが本殿です。


本殿 Main shrine of Kanjadensha Shrine

本殿 Main shrine of Kanjadensha Shrine


本殿にはご祭神である

素戔嗚尊(すさのをのみこと)の荒霊(あらみたま)が

お祀りされているんですよ~

※荒霊とは、和魂(にぎみたま)と対を成す神様の霊魂の1つで、『荒々しい勇猛な魂』の呼び名です。


これは素戔嗚尊が

天照大神(あまてらすおおみかみ)の疑いを解く為に行った

誓約(うけい)に由来するみたいです。

※詳しくは、美御前社の記事をご覧下さい。


冠者殿社と書かれた提灯 Lanterns of Kanjadensha Shrine

冠者殿社と書かれた提灯 Lanterns of Kanjadensha Shrine


また、一説によると

平安時代、源義経(みなもとのよしつね)を
暗殺する為に源頼朝(みなもとのよりとも)が
送った討手である僧で武将の
土佐坊昌俊(とさのぼうしょうしゅん)を
お祀りしているともいわれています。


土佐坊は、熊野詣を装って京都に上洛したんですけれど

義経と会った際になんと!見破られてしまうんですね


ド肝を抜かれた土佐坊は、その場をなんとかしようと

「俺は熊野詣の為に寄っただけ!
そんなに疑ってるんだったら
起請文(誓文)書くけど?」

といって7枚の起請文を書いたそうです


7枚もの量が土佐坊の

驚き度合を表していますよね!


これは急いで行動しないとヤバイと思ったのか

その夜、土佐坊は武士達を集め
闇夜に紛れて義経がいた
堀川邸を取り囲みます!


けれど、この動きは事前に義経に知られ

あっけなく捕らえられてしまうんですね


土佐坊は結局の所、斬られてしまうんですけれど

斬られる前に

「今後は、偽りの誓いをした人の
罪を救う事にする!」

と言ったそうで

この逸話から誓文払いの神とされたといわれています。


ちなみに近年、かつて盛大に行っていたお祭を

復活させる動きがあって

10月20日には、御神酒が振る舞われたり

福引が行われたりしているそうですよ~

気になる方は今年、行かれてみてはいかがでしょうか♪


そんな冠者殿社の場所はコチラ↓

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