今回ご紹介するのは

京都市中京区の梨木神社(なしのきじんじゃ)内にある

染井の井戸

染井(そめい)です!


染井の水は


萩の名所

梨木神社は萩の宮とも呼ばれ、萩の名所として有名です。


梨木神社の手水舎に汲み上げられていて

縣井(あがたのい)、醒ヶ井(さめがい)とともに

京都三名水の1つに数えられているんですね~


しかも縣井、醒ヶ井は枯れてしまっているのに対し

染井だけは現在も枯れずに水が沸いているんですよ

また、染井は御所三名水の1つにも数えられています。

※残り2つは京都三名水に含まれている縣井と、祐井(さちのい)です。


けれどこの染井がいつ頃から

京都三名水に数えられるようになったのかは

詳しくわかっていないんですね。


染井の井戸

でもとにかく美味しいお水という事で

地元の方々には大変人気があり

梨木神社にお参りに行けば

ペットボトルを持参して並んでいる姿を

度々、見かける事があります


そんな名水である染井の水源は

そこまで深くなく数十メートルという事のようで

鴨川の分流であるとも

えられているんだそうです。


かつて滝沢馬琴(たきざわばきん)は

自身の著書である

『羇旅曼録(きりょまんろく)』の中で

『京によきもの3つ』の1つとして

鴨川の水をあげているんですけれど

染井の水が鴨川の分流だとすれば

馬琴もきっと納得の味だという事でしょうね

※京によきもの3つであげられているのは「女子、加茂川の水、寺社」です。


ちなみに梨木神社が創建されたのは

1885年(明治18年)なんですけれど

この染井は梨木神社

創建されるよりももっと以前から

この地にあったそうで

古くは平安時代にまで遡ると言われています


染井の井戸の説明

平安時代、この地には

藤原良房(ふじわらのよしふさ)の邸宅である

染殿第(そめどのだい・染の御所とも)があった場所とされ その染殿第の井戸として使われていたんだそうですよ。

※藤原良房は人臣(皇族以外)で初めて『太政大臣』『摂政』になった人なんです!藤原良房について詳しくは、櫟谷七野神社の記事をご覧ください。


ちなみに染殿第は

染殿(そめどの・藤原良房の娘)の御所でもあり

清和天皇(せいわてんのう・第56代天皇で染殿の息子)は

譲位後ここに移られました。

※文徳天皇(もんとくてんのう・第55代)の皇后である染殿こと藤原明子(ふじわらのあきらけいこ)について詳しくは、染殿院櫟谷七野神社の記事をご覧ください。


そうすると染井は1000年以上も

枯らす事なく湧き出ているという事になりますよね


また、染井という名前は

宮中で染物などに使われていた事が由来と

言われています。


染める井戸という事で

染井になったのかも?知れませんね


梨木神社 絵馬

絵馬にもこのように萩が描かれています。


ちなみに梨木神社では

染井の名水を保存していくために

1960年(昭和35年)に発足した『染井会』が

毎月第3日曜日に

染井を使ったお茶会を開いているんだそうですよ。


ご興味のある方は

参加してみてはいかがでしょうか


そんな染井がある梨木神社の場所はコチラ↓


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