今回ご紹介するのは

八坂神社で行われました

草鹿式奉納

草鹿式奉納(くさじししきほうのう)です!


草鹿式奉納を行うのは

鎌倉時代から続く

弓術・弓馬術・礼法の流派である

小笠原流(おがさわらりゅう)の方々なんですよ


小笠原流は源氏を始め、足利家、徳川家の

弓術指南役を行ってきた事で有名なんですね~


そんな小笠原流の方々によって奉納される

草鹿式奉納とは一体どういったものなのかと言いますと

鎌倉時代さながらの烏帽子に直垂(ひたたれ)と呼ばれる

武家の公式の装束をまとって

約22メートル離れた場所にある

鞣革で作った草鹿の的を射るというものなんです


草鹿

ちなみに今回の草鹿は

角があり牡鹿(おしか・おす)なんだそうですよ。


的の草鹿には

大・中・小の白い星が24個描かれていて

それぞれに名前があるんですね。


中央の一番大きな星を

『定(さだめ)』といい

射手はこの定を狙って矢を射るんだそうです。


要するにこの場所に当たれば

文句無し!という事ですよね


草鹿式は

鎌倉時代から続く儀式で

射術の稽古の方法として始めた事が

きっかけと言われています。


なんでも鎌倉幕府を開いた源氏の棟梁である

源頼朝(みなもとのよりとも)が

1194年5月に富士の裾野で

鹿や猪などを射止める狩猟である

巻狩(まきがり)を催した際に

家人がたびたび獲物を射損じる事があった為に

練習として始めたんだそうです


では早速レポートしていきましょう♪


八坂神社

御前11時頃に八坂神社に到着すると

小笠原流の方々が本殿で

神事を行っているところでした。


本殿神事の後

本殿の西側に移動し

草鹿式奉納が行われます


弓馬術礼法小笠原教場 草鹿式奉納

八坂神社で奉納される草鹿式奉納は

射手(いて)が前弓(まえゆみ)4名と後弓(あとゆみ)4名に分かれて 当たった矢の数で競い合う勝負なんですね~!


まず的奉行(まとぶぎょう)が

八坂神社のご祭神に対して

的中(矢が的に当たる事)に贔屓(ひいき)をしない事や

この草鹿式は勝負であるといった事を告げます。


その後、大将を除く前弓の射手3名が

前に進み一列に並びます

射手3名

ちなみに後ろの青色の装束を着ているのは

介添(かいぞえ)といって

射手に何かあった場合などに

補佐をする人なんですよ。


射手は前に進むと

陰陽道の作法に乗っ取って

直垂を紐さばき、肌脱ぎ等をして

弓を引ける状態にします。


そして射手は2本づつ矢を放つんですね。


甲矢

1本目の矢は『甲矢(はや)』というそうですよ



見事、草鹿の的に矢が当たると

草鹿に当たった矢

采上(ざいあげ)人が『采(白い棒)』を上げて

的中した事を合図します。

采上人

射放った矢は矢取りと呼ばれる人が回収し

矢取り

その後、介添に返す

矢返し

『矢返し』という作法が行われます。


ちなみに的中したと思っても

油断は禁物です


なぜなら草鹿式では

的奉行が的中と判断しなければ

的中とならないからなんです


その際、的奉行は

「控えよ!!」

と射手に対して言って

本当に的中かどうかを判断する

問答を始めるんですね。


真ん中が的奉行

真ん中が的奉行。


ただ矢を射るだけじゃない所が

面白いですよね


今回の問答の内容はと言うと・・・


「矢所(やどころ)は?」

という的奉行の問いに対し

射手が

「びわ股にて候!」

と矢の当たった星の場所を言っていました


その後、的奉行が認めてくれると

的中となるというわけです。


現在ではいろいろなスポーツで

機械が導入されて

こういうのをあまり見る事が出来ませんけれど

問答があっても面白いですよね。


また、2本目の際にも問答があり

その時は

矢が的中したように思えたんですけれど

的奉行から

「ただいまの矢は良き矢に候えるか?」

に対して

射手が

「紛れも無き良き矢にて候!」

と応えていました。


しかしその後、的奉行は

「ならば誓言めされ!」

と言って誓いの言葉を言えと言うんですね


射手は

「弓矢八幡(ゆみやはちまん)!わけても!八坂神社の大神様もご照覧あれ!ただいまの矢は紛れも無く良き矢にて候!」

と、源氏の守護神である八幡大菩薩に誓いを

立てる時の言葉を唱えられていました♪


今風に言い直すと

「本当に当たった?」

「当たったって!!」

「神様に誓っていえる?」

「八幡大菩薩に誓っているし!八坂の神さんも見てたし!!絶対、当たってたよ!」

という感じでしょうか


その後、的中が認められたんですけれど・・・

実は矢が当たっても

的中とならない場合もあるんですよ。


例えば、射手が間違った作法を行ったり

矢が的に当たっても

矢が跳ね返りが大きかったりしてもダメなようです。

なかなか厳しいものとなっているんですよ


けれど逆に的中したのに

的中と判断されなかった場合は

射手の方から

「矢なとりそ!!!」と言って

矢取りが矢を取ろうとするのをやめさせ

的奉行に判断を仰ぐこともあるんですね。



問答の様子は動画でご覧ください。


そして前弓が2本ずつ矢を射終えると

的に当たった数だけ

数塚に串を立てます


数塚

数塚。


次に後弓の射手も大将以外の3名が

前に進み2本ずつ矢を射放ちます。


数塚に串を立てる様子

数塚に串を立てる様子。


前弓と後弓が矢を射終えた後

前弓と後弓の大将が前に進み

最終勝負をするんですね~


大将

つまりラスボス真打登場ですよね


ちなみに大将が持っている弓は

他の射手とは違う弓を持っているんですよ。


この弓は

『重藤の弓(しげとうのゆみ)』といって

小笠原流では最上級の免許者のみが

使う事を許されるものなんですね。


大将戦

その後、大将戦も終わり


「後弓の勝ちにて候~!」

今年は後弓の勝ちでした。

と告げられ

今回は後弓の勝ちとなりました~



一連の様子は動画でご覧ください。


勝ちを収めた後弓から退出し

後弓から退出

最後は八坂神社の本殿前で

一礼をしてお開きとなります。

本殿前で一礼

小笠原流の作法を

かなり近い所から見る事が出来るので

興味がある人には特にオススメです


そんな草鹿式奉納が行われた

八坂神社の場所はコチラ↓


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