今回ご紹介するのは
鵺池伝説（ぬえいけでんせつ）のある
鵺大明神の祠です！
※現在は、二条公園という児童公園内にあります。
鵺（ぬえ）と聞いてすぐピン！とくる人は
そういないと思うんですけれど
鵺がわかる人はけっこうな
歴史通だったりすると思います
さて、その鵺とは一体何なのかと言いますと・・・
頭は猿で胴は狸
手足は虎で尻尾は蛇という
怪鳥の事なんですね
え？鳥
そんな鳥見たことなーいっ！
というツッコミがあるかも知れませんけれど
平安時代にはいたんですね～
当時の人も見たことがなかったそうで
皆さんビックリしていたようですよ。
平安時代にいたんですから
もしかすると今だっているかも知れません
復元された石碑
ちなみに去年の大河ドラマ『八重の桜』の主人公で
幕末から明治にかけて活躍した
山本八重（やまもとやえ）は
頭は西洋のつば付き帽子、体は着物で、足は革靴という
服装だったため
当時、同志社大学の生徒だった
徳富猪一郎（ふくとみいいちろう・徳富蘇峰）に
『鵺』のようだと皮肉られたそうですよ
鵺大明神、玉姫大明神、朝日大明神が祀られています。
話を戻しまして
平安時代、この祠のある辺は
天皇の住まいである内裏（だいり）や
平安宮の大極殿（だいごくでん）など
政治の中心的な場所でした。
※大極殿について詳しくは、大極殿跡の記事をご覧下さい。
そんな政治の中心地で
平安時代末期のある深夜・・・
内裏で怪しい鳥の鳴き声がしたんですね～
その鳴き声は虎鶫（とらつぐみ）に
似ていたと言われています
実際に虎鶫の鳴き声を聞いてみると
口笛のような感じで
ピーピーとかフィーフィーといった感じです。
※虎鶫の泣き声はYOUTUBEで検索すると直ぐに出てくるので気になった方は検索してみて下さい。
しかしその鳴き声に
近衛天皇（このえてんのう・第76代天王）が
とても怯えるんですね
そこで、弓の名手と言われる
源頼政（みなもとのよりまさ）に
鵺退治を依頼することにしました。
※源頼政について詳しくは頼政忌 2012（平等院）の記事をご覧下さい。
源頼政は神明神社（しんめいじんじゃ）で祈願してから
こちらは神明神社になります。
鵺退治に向かったそうですよ
ちなみに鵺は東三条（御所から南東の方角）の森から
暗雲とともに御所へとやってきたと言われ
鵺の森があったとされる大将軍神社の境内
東三条の森から黒雲がむくむくと湧き出てきて
清涼殿（せいりょうでん・平安京の社殿）の上を覆い尽くしたそうです。
頼政はその中に動く物体の影を見つけ
それに向かって矢を放ちます
「南無八幡大菩薩！！！！！」
※八幡神は源氏の氏神なんですよ。
すると見事、鵺に的中し
駆けつけていた猪早太（いのはやた）が
庭に落ちた鵺にトドメを刺したと言われています。
その時の鵺の姿が
先ほどの説明したような
頭は猿で胴は狸
手足は虎で尻尾は蛇という
珍しい姿だったんですね
その後、頼政は鵺池と、のちに呼ばれる池で
復元された鵺池、右上に石碑も建ってます。
血のついた鏃（やじり）を洗ったと言われているんですよ。
※ちなみに現在の池は復元されたものだそうです。
その時の鏃は神明神社に奉納され
神明神社に掛けられている鏃の写真。
今でも写真で見ることが出来ます
見事鵺退治をした源頼政でしたが
なんと、しばらくすると
また鵺が出るんですね
そのときの鵺は
二条天皇（にじょうてんのう・第78代天王）を
怯えさせたといわれています。
そして、再度白羽の矢が立ったのが
源頼政なんですね！
もう鵺退治は頼政しかいない！
って感じだったのでしょうね
再び鵺退治に出かけた頼政は
また東三条の森あたりから
黒雲がむくむくと湧き出てきたので
弓を射て、鵺を退治したと言われています。
ちなみに今回の祠は
鵺が落ちたとされる場所に建てられているそうで
祀られているのは、当然鵺だと思います。
そんな鵺大明神の祠の場所はコチラ↓
より大きな地図で 鵺大明神の祠 を表示
