今回は
京都府京都文化博物館別館を
ご紹介したいと思います。
京都といえば、古都ってイメージが強くて
神社、お寺、町家と古い町並みを
イメージする人も多いと思います
観光で来た人は
京都での~んびりとして帰る・・・
そんなイメージですよね。
しかし
何も京都は古いものばかりではないんですよ。
京都は歴史的にも価値のある
近代建築の宝庫だったりします
近代建築を一言で言いますと
『西洋の建築様式や技術を用いた建築物』のことで、
京都では特に三条通りや烏丸通り、四条通りに
近代建築の建物がいっぱいあるんです。
では早速
京都府京都文化博物館別館を見ていきましょう
構造は見てのとおりのレンガ造りで、
二階建て、一部地下一階があります。
三条通に面して左右対称に設計されていて、
赤レンガに白い花崗岩(かこうがん)を帯状にめぐらせる おしゃれなデザインになっているんですよ
解説板です。日本銀行 京都支店として使われていました。後ほどご紹介しますね。
こういった赤レンガに白い石を帯状にめぐらせるデザインは
19世紀の後半にイギリスで流行した様式だそうで、
日本では辰野金吾(たつのきんご)が積極的に用いたことから、
『辰野式建築』と呼ばれるそうです
こちらは夜の写真。京都らしい暖かな光でライトアップされています。
この京都府京都文化博物館別館は
明治36年(1903年)に着工され
明治39年(1906年)に竣工したそうです。
設計したのは辰野金吾と、
その弟子である長野宇平治(ながのうへいじ)で、
彼らは明治から大正にかけて活躍した建築家なんですね。
ちなみに辰野金吾は東京駅や日本銀行も設計もしていて、
彼の設計した建築の多くが文化財として保存されています
※今年(2014年)は東京駅が出来て、ちょうど100年目の年なんですよ。
こちらは京都府京都文化博物館別館の正面入口です。
辰野金吾について少し解説をしますと
彼は唐津藩(からつはん)の武士の子として、
1854年に生をうけ、工部省工学寮に入学し、建築学を学びます。
そこで出会ったのが、鹿鳴館(ろくめいかん)を設計したことで知られる
『日本近代建築の父』英国人ジョサイア・コンドルです。
※鹿鳴館とは、明治の初頭に建てられた、洋風の社交場の事です。
西洋の文化が入ってきて、
日本人も西洋人を招いて
ダンスパーティーをしている絵を見たことがあると思います
教科書でもおなじみの絵ですよね。
そんな彼から建築を教わると
卒業後はイギリスに留学をし、最先端の西洋の技術を学びました。
こちらは正面入口の裏側です。中もモダンなデザインになっています。
ちなみに、この京都府京都文化博物館別館は、
はじめは日本銀行の京都支店として使われていたんですよ
1965年、日本銀行京都支店が河原町二条に移転されると、
1968年に平安博物館として開館します。
そしてなんと
1969年には明治を代表する洋風建築として
『国の重要文化財』に指定されるんですね
その後、1988年に京都博物館別館として公開され、現在に至ります。
中の様子は天井が高く、ドーマー窓といって、天井にも窓がついてます。自然光を取り込んでいるんですね。
古い町並みだけでなく
時には近代建築も眺めてみてはいかがでしょうか
※京都府京都文化博物館別館は10:00~19:30まで開いてます。
そんな京都府京都文化博物館別館の場所はコチラ
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