今回ご紹介するのは・・・
古都・京都ゆかりの言葉です
今でも使われる『言葉』の語源には
1200年の歴史を持つ京都ゆかりのものが
多数、存在しています。
今回は、そんな『京ゆかりの言葉』を
いくつかご紹介させていただきます
・引き出物(ひきでもの)
結婚式の際、招待した人に渡される引き出物っ
食器なんかが定番だったりしますけど
この『引き出物』という言葉は
平安時代の『しきたり』に由来する言葉なのです
さて、そのしきたりとは!?
実はその昔は、招待した大事なお客さんに、馬を贈っていたんですね!!
簡単に言えば、その馬がお皿になっちゃったというワケなんです。
その際に、庭先まで馬を引き出して(連れ出して)贈った事が語源としてあるようで
その後、大事な人に贈るものを『引き出物』と呼ぶようになったそうです。
ちなみに神社にある『絵馬』も、かつて馬を贈っていた慣わしが
変化したものなんですね。
つまり、馬の代わりに絵馬を奉納するというワケです。
ちなみに絵馬の起源は貴船神社だと言われています。
詳しくは貴船神社の記事をご覧下さい。
・台所(だいどころ)
料理をする場所『台所』という呼称は
もともと宮中で使われていた言葉に由来するものだそうですっ!!
それが台盤所(だいばんどころ)と言います
御所の清涼殿(せいりょうでん)に設けられた一室だそうで
台盤(だいばん・食器や食物を乗せる台)があり
女官の詰め所にもなっていたそうです
ここで食事の膳を準備して、運んだんですね。
こちらが京都御所にある清涼殿です。詳しくは京都御所の記事をご覧下さい。
後に『盤』が省略され、鎌倉時代以降
武家や農家では、かまどのある部屋を
『台所』と呼ぶようになったと言われています。
・坊主(ぼうず)
お坊さんの事を指すこの言葉
一体語源はドコからきてるの!?と言うと
『坊』の『主(あるじ)』という事から坊主と言うようになりました。
この坊とは、平城京や平安京における、ひとつの区画を指す言葉なんですね
※朱雀大路に近い方から左京は東へ、右京は西へそれぞれ一坊、二坊、三坊、四坊と順に呼びました。坊から更に細分化したものが『保』や『町』になります。
その後、大きな寺院においても『坊』という言葉が使われ
そこに属する小さな寺院(塔頭)を『坊』と呼び
その主(住職)を『坊主』と言ったのが始まりだとされています。
京都の寺院の1つ『大徳寺』には、23もの寺院が建ち並んでいます。詳しくは大徳寺の記事をご覧下さい。
つまり坊主というのは
本来、お寺の中では一番位の高い人のみが呼ばれる呼称だった
というワケです
ちなみに、当時は坊主でない僧侶を『法師』と呼んだそうですよ。
・くだらないもの
どうしようもないものを『くだらないもの(物)』なんて云いますが
この『くだらない』という言葉には、京都が深く関係しています
まず最初に・・・
『くだらないもの(物)』とは『下っていない品物』という風に置き換える事が出来ます。
では、次に『下っていない』とは何なのでしょうか?
それは・・・
『京都や大阪から届いた品物では無い』という事なんですね
かつて天皇が住む場所(京の都)に向かう事を上京(じょうきょう)と言いました。
この事から、京都に向かう事を『上がる』と言ったんですね。
※現在は東京に天皇陛下はいらっしゃるので、東京に出て来る事を上京と言います。昔は逆だったんですね。上京について詳しくは京ゆかりの言葉 その7の記事をご覧下さい。
かつての天皇陛下の住まいだった京都御所です。現在は毎年・春と秋に一般公開を行っています。
江戸から京都に向かう=上がる
京都から江戸に向かう=下がる
つまり・・下らないものとは
京都(都)から届いた物ではない=粗悪品
といった解釈で使われるようになったというワケです
※この『くだらないもの』の語源には様々な諸説があります。今回ご紹介している説は、その1つになります。
という事で、今回は京ゆかりの言葉をご紹介させていただきました。