ご紹介するのは浦嶋神社(うらしまじんじゃ)で行なわれた・・・
![本庄祭](2013/08/04/01/2013-08-04-19.jpg)
本庄祭(ほんじょうさい)です
今回は、数日間にわたり行われる本庄祭の中から
8月4日に行なわれた『祭礼奉納奉告祭』をお送りしたいと思います!
昔話でおなじみの『浦島太郎』ゆかりの地であり
伊根町(いねちょう)にある
本庄浜の近くに建つ『浦嶋神社』で行なわれる
本庄祭は1200年続く、歴史ある祭です
※伊根町は、京都府与謝郡(京都府北部)にある地域です。
この本庄祭は
豊漁祈願・商売繁盛・家内安全などを願い行なわれ
今回の祭礼奉納奉告祭では
『太刀振り』や『花の踊り』などといった奉納行事を
見る事が出来るんですよっ。
![本殿](2013/08/04/01/2013-08-04-1.jpg)
まず最初に、浦嶋神社について
簡単にご説明しますと
浦嶋子(うらのしまこ・浦島太郎)を祭神として祀る神社で
825年に創建されました。
※正式名称は宇良神社(うらじんじゃ)と言います。
祭神は『筒川大明神(つつかわだいみょうじん)』とも言い
このあたりの一帯の産土神とされています
![亀姫と向かい合う浦嶋子](2013/08/04/01/2013-08-04-2.jpg)
浦島伝説は全国各地にありますが
この浦嶋神社に残されたものが
起源としては最も古いそうで
日本書紀にも記されているそうですよ。
ちなみに、浦嶋神社の浦島太郎のお話は
皆さんがご存知のものとは少し話が違うそうで
お話の主人公でもある浦嶋子が
5色とも7色とも言われる色鮮やかな亀を釣り上げた事から
物語はスタートします
実はその亀こそが・・美しい『亀姫』という女性で
彼女に案内され竜宮城に向かうんですね。
ちなみに、お話のオチは同じで
竜宮城で楽しく過ごした浦嶋子でしたが
浜に帰ってくると
実は300年もの時が過ぎてしまっていて
お土産に貰った玉手箱を開けると
その途端、紫の煙が噴出し
あっという間に老人の姿に変わってしまったというものです
さて、そんな浦嶋子を祀る浦嶋神社で行なわれる
本庄祭についてもご紹介しますと
大きく3つに分かれています。
・宵宮(8月3日)
・祭礼奉納奉告祭(8月4日)
・例祭(8月7日)
※ちなみに『宵宮』と『祭礼奉納奉告祭』は、8月7日に行なわれる『例祭』直前の土曜・日曜に行なわれます。ですので、この2つは年度によって日にちが異なります。
では、さっそくその中から
今回は『祭礼奉納奉告祭』をレポートしたいと思います
8時半過ぎより、神職の方や
![神職らが本殿に集まります](2013/08/04/01/2013-08-04-4.jpg)
各村の役員の方などが浦嶋神社の本殿に集まり
神事が始まります。
![修祓](2013/08/04/01/2013-08-04-5.jpg)
お祓いを行なった後、神前に対して
祝詞(のりと・宣言)を奏上し
最後に直会(なおらい・神前に供えたお下がりを食べる事)を行ないます。
9時過ぎより
演舞の奉納が始まりま~す!
今回は『本庄宇治(ほんじょううじ)』と
『本庄上(ほんじょうあげ)』と呼ばれる
2つの区の方による奉納が行なわれます
![境内へと入ってくる本庄上](2013/08/04/01/2013-08-04-3.jpg)
境内へと入ってくる本庄上
太鼓を乗せた屋台が、浦嶋神社の前(鳥居前)に置かれると
「イョーイ!イョーイ!」という掛け声と供に
まずは、本庄宇治の振り子(太刀振りを行なう人)による
奉納が始まります。
この鳥居前を『外宮』として、これから順番に
2つの区の奉納が行なわれるんですね
太刀振りの内容はどちらの区もほぼ同じで
ダイフリと呼ばれる赤い頭巾をかぶった者(リーダー・音頭取り)が
塩を振り、場を清めた後
五色の紙垂(しで)が付いた棒を振りながら
太刀振りを行なう『振り子』たちを引き連れ
![もみ合い](2013/08/04/01/2013-08-04-6.jpg)
最初に『もみ合い』を行ないます
※数十人の振り子が、お尻ではないですが、おしくらまんじゅうの要領で、背中を引っ付け合う所作を行ないます。
![太刀を持ったもみ合い](2013/08/04/01/2013-08-04-7.jpg)
もみ合いは何度か行われるのですが
本庄上のもみ合いでは
2つの陣営にわかれ
![騎馬戦のようなもみ合い](2013/08/04/01/2013-08-04-9.jpg)
まるで騎馬戦のように
もみ合いを行っている事がありましたよ
その後、まずは子供による『棒振り』が行なわれます。
※大人たちにサポートされるように、小さな2人の子供が一生懸命、棒をくるくると回転させたり、演舞を披露していましたよ。
続いて、いよいよ太刀振りが行なわれます。
![本庄宇治による小太刀振り](2013/08/04/01/2013-08-04-8.jpg)
本庄宇治・小太刀振り
まずは『小太刀振り』からスタートです。
太鼓や笛のお囃子に合わせながら
![本庄上・小太刀振り](2013/08/04/01/2013-08-04-11.jpg)
本庄上・小太刀振り
襷(たすき)がけ姿の青年2人(15歳前後)が
息の合った振りを行ないます
![大太刀振り登場](2013/08/04/01/2013-08-04-10.jpg)
続いて、大人の方々が登場し
円のように広がると『大太刀振り』を行ないます。
大立ちは棒の先に刀が付いているもので
度々、大太刀をくるくると器用に回しながら
ジャンプしてまたいだりと、より全身を使った動きになります。
身体を上下にさせながらダイナミックに動いていましたよ
時おり、ダイフリが登場し、紙垂や
塩を使って、再び場を清めていきます。
最後には、再び中央に振り子が集まり『もみ合い』を行います。
こうして30分程の奉納が終わると
引き続き今度は
本庄上による太刀振りが行われます
外宮での奉納の様子は動画でご覧ください。
こうしてそれぞれ30分強の太刀奉納を『外宮』で行なった後
鳥居をくぐり『内宮(ないぐう・境内)』に皆さん移動します。
境内に入るとまずは、お祓いという事で
![内宮でのもみ合い](2013/08/04/01/2013-08-04-12.jpg)
拝殿内にて、同様の『もみ合い』が行なわれ
この時に、神職の方によるお祓いを受けます。
![社殿の回りを3周](2013/08/04/01/2013-08-04-13.jpg)
この他にも、内宮での太刀振りのを行なう前には、このように社殿の回りを3周走ります。
その後
本庄宇治が
![本庄宇治・棒振り](2013/08/04/01/2013-08-04-14.jpg)
本庄宇治・棒振り
![本庄宇治・小太刀振り](2013/08/04/01/2013-08-04-15.jpg)
本庄宇治・小太刀振り
![本庄宇治・大太刀振り](2013/08/04/01/2013-08-04-16.jpg)
本庄宇治・大太刀振り
![本庄宇治・花の踊り](2013/08/04/01/2013-08-04-17.jpg)
本庄宇治・花の踊り
の奉納を行ないます。
![本庄上・修祓](2013/08/04/01/2013-08-04-18.jpg)
この後、本庄上もお祓いを受けると
![本殿前で、もみ合い](2013/08/04/01/2013-08-04-20.jpg)
本殿前で、もみ合いを行い
![本庄上・棒振り](2013/08/04/01/2013-08-04-21.jpg)
本庄上・棒振り
![本庄上・大太刀振り](2013/08/04/01/2013-08-04-22.jpg)
本庄上・大太刀振り
![本庄上・花の踊り](2013/08/04/01/2013-08-04-23.jpg)
本庄上・花の踊り
同様の奉納を行います。
さて、ここで『本庄祭』について
もう少し詳しくご紹介しますと・・
冒頭でも言った通り大きく3つに分かれています
8月3日・宵宮
伊勢音頭を歌いながら、提灯を持った男達が
20時頃、浦嶋神社に集まります。
境内に入ると、大きな掛け声を上げながら上半身裸となり
『もみ合い』を行いながら拝殿内に入る、勇ましい宮入りを行ないます。
8月4日・祭礼奉納奉告祭
今回ご紹介している太刀振りや、この後にご紹介する花の踊りが奉納されます。
これらの奉納は1日だけでなく、例祭までの間
各区の神社でも、同様の太刀振り・花踊りが奉納されます。
これを地下祭と言うそうです。
8月7日・例祭
本庄祭の最後に行なわれるのが例祭です。
浦嶋神社の本殿にて各区の代表者らが集い
11時より、祝詞奏上などの神事が厳粛に行なわれます。
ちなみに現在、本庄祭に参加しているのは
3区(本庄浜・本庄上・本庄宇治)ですが
かつて(大正の頃まで)は13もの区が参加していたそうで
朝から日が暮れるまで
太刀振りなど、様々な芸能奉納を行なっていたと言われています
※本庄浜は今年、不参加だったのですけれど2012年度は『祭礼奉納奉告祭』に参加されていたそうです。
さて、それぞれの区が最後に踊る
『花の踊り』についても、ご紹介しますと
太刀振りを行なった若者が中心となって行ないます。
拝殿は割拝殿となっていて、拝殿内を通る通路に集合し行なわれます。
本庄宇治による『花の踊り』は
![松の踊](2013/08/04/01/2013-08-04-24.jpg)
『松の踊(松の緑の見事さを歌った歌)』
「いやあーをー踊りきいこゑー
志角んごなーる
いやー切戸の松のをーみごとさーよ
いやほーは
いやー松の踊りは面白ーやー
いやあーをーをどりきいこゑー
志たかさごのー
いやー尾の江の松のを見事さよー
いやほーは
いやー松の踊りは面白ーやー
松の踊りは面白ろやー
いやー踊りきいこーゑー
志びやこなるー
いや松風ー五薬のーお庭は先きー
いやかーりの松のを見事さーよ
いやほーは
いやーあー松の踊りは面白ろーやー
松の踊りはこれ迄でーよー」
![通ひ踊](2013/08/04/01/2013-08-04-25.jpg)
『通ひ踊(若狭にいる女郎衆のもとに通う歌)』
「いやあー通ひ踊は一踊りー
いやあおれらーがとのごーは わかーさーゑかーよふう。
いやあーわかさのー女郎衆がー
とめーたあげーなー
さー通ひのーお踊りーいは面白ーや
わーかーさーの女郎衆がーとおめたーと聞ーかばー。
いや文ことづーきよをもの若さまる一ー。
さあ通ひの踊は面白やー。
いや沖とをる舟でもわかさゑ一行かばー
いや文ことづきよものー若さまゑー
さあ通ひの踊りは面白やー
空ら立つ鳥りーでもわかさゑ行けば
いや文こーとづーきよもの若さまゑ
さーあ通ひの踊りはこれ迄でよー」
の二番が披露されます
2人の太鼓打ちの鳴らす音に合わせて
歌が奉納されます。歌だけでなく、皆さん左右に揺れながら
息を合わせるように行なっていました。
内宮での様子は動画でご覧ください。
本庄上による『花の踊り』も二番行なわれます。
日本全国の名所をちりばめながら花の美しさを歌う『花の踊り』と
海の町らしい『船頭踊り』が奉納されました。
こうして12時頃、本庄祭の『祭礼奉納奉告祭』は終了しました。
そんな祭礼奉納奉告祭が行われた浦島神社の場所はコチラ↓
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