今回ご紹介するのは、京都府与謝郡
伊根町の亀山地区で行われた・・・
伊根祭(いねまつり)です
※京都府与謝郡は京都府北部にある地域です。
江戸時代より伝わる、400年の歴史を持つ祭で
伊根湾を『祭礼船』や『神楽船』で渡御するのが特徴的な
八坂神社の例祭です!!
※この八坂神社は京都東山にある神社ではなく、伊根町にある同名の神社です。
漁師さんが多い事から
海上安全や大漁祈願などを目的に毎年、行なわれているんですよ~
ちなみに伊根祭は
通常行なわれる『例祭』と
漁獲量が多い年だけ行なわれる『大祭』の2種類があります。
※2013年度は例祭が行なわれました。
大祭では『船屋台』と呼ばれる
祇園祭の山鉾を乗せたような巨大な船が
化粧船や通船(かよいぶね)を従え、伊根湾を渡るんですね。
※『大祭』は平成に入ってから2度行なわれ、近年では2012年に催行されましたが『船屋台』1基のみの巡行でした。(本来は4基が出るそうです。)
こうした事から伊根祭は『海の祇園祭』とも言われています。
そんな、伊根祭は3つの大きな地区から構成される祭で
それぞれの地区によって内容が違うのも特徴です
・亀島地区(棒振り・太刀振り・太鼓神楽・獅子神楽の奉納)
・平田地区(稚児舞の奉納)
・日出地区(神輿の巡行)
となっています。
これらは全て、同日に行なわれているので
一度で全部を見る事は・・・不可能なのです(汗)
※現在、伊根祭は7月の最終土曜日・日曜日に行なわれています。かつては7月27日・28日に定められていたそうです。
という事で!
今回は『亀島地区』にスポットを当てて
レポートしたいと思いますっ。
12時過ぎより伊根湾を渡御するワケですが
この時に2基の船が出航するんですね~。
それが『祭礼船』と『神楽船』です。
祭礼船には棒振りや、太刀振りなどを担当する子供達が
中心となって乗り込みます!
※この子供は、亀島地区に広がる4つの区『亀山区』『高梨区』『耳鼻(にび)区』『立石区』から選出されています。
一方の神楽船には
太鼓神楽を奉納する若い成人男性を中心とした
メンバーが乗り込みます。
※亀島地区の神楽は毎年、立石区が担当しています。
この『祭礼船』と『神楽船』は
それぞれ別の出発地点となっていて
伊根湾の海上で合流し、対岸にある『八坂神社』に向かうんですね~。
※出発地点に関しては、記事の最後にある地図をご覧下さい。
神楽船は12時過ぎに出発し
祭礼船は12時半頃出発します。
祭礼船が出発する際は
最初に子供達による太鼓と笛の奉納を行なってから
出航します~!
祭礼船には『棒振り』や『太刀振り』以外にも
剣鉾(けんぼこ)や花笠
その他、裃姿(かみしもすがた)の大人達を含む
総勢30人程が乗り込みます。
この後、湾上で神楽船と連結(紐で船同士を一時的に繋ぐ)し
船の上で、棒振りや太刀振りや、太鼓神楽が
披露されるんですね
神楽船では太鼓の披露に加え『おかめ』『ひょっとこ』『天狗』も同乗し、賑やかなものとなります。
湾内の真ん中で行われているので
じっくり様子を見たければ
近くを走る遊覧船などから鑑賞する事をオススメします
こうして対岸の八坂神社前に
祭礼船が13時頃、到着します。
その後、長い石段を登り
八坂神社境内に、皆さんが入ります~!
中では、神楽船の到着を前に
八坂神社の本殿にて神事が行なわれていましたよっ
その後、20分程して神楽船も到着し
神輿に似た神楽太鼓を積んだ『荷(に)』が
境内に勢いよく入ってくると
勇ましく太鼓が打ち鳴らされますっ
これに続くように
『トッケツ(鈴)』『獅子舞』『シンボチ(新発意)』『棒振り』『太刀振り』
の順番で練り込みを行ない
準備が整うと、様々な演舞の奉納が行なわれます。
まずは6人で行なう『太刀振り』です。
子供達は、身長ほどある長い太刀を、見事にさばきますっ。
演目の合間には、シンボチが演者の中を駆け抜け
『天下泰平』『国家安康』と書かれた軍配を
地面に置き、それを飛び越えると、両手を広げて
「バンザーイ!!!」と大きな声を上げます。
このタイミングで、毎度拍手が沸き起こっていましたよ!
※シンボチは『太刀振り』と『棒振り』の合間に登場し、独特の所作を行います。新発意とは本来、仏門を目指した新米のお坊さんの事を言うそうです。
続いて『棒振り』です。
こちらは2人1組で行ないます。
棒をくるくると回す他にも、時には激しく
互いの棒を、刃を交わせるようにしていましたよ。
こちらも、先ほどと同様に
合間にシンボチが、「バンザーイ!」の所作を行なっていました。
そして、再度『太刀振り』が行なわれた後
獅子神楽が奉納されます。
『幣の舞』や『剣の舞』などが奉納されていましたよ
こうして1時間ほどの奉納が終わると
境内末社である
八幡神社に、皆さん移動します!
棒振りの様子です。
ここでも同様に
『太刀振り』『棒振り』が14時頃から奉納されます
※この時、途中で神楽太鼓を積んだ『荷(に)』は退場し、氏子町内を練り歩くそうですよ。
八幡神社での奉納が終わると、今度は歩いて3分程の
正法寺前に移動し、引き続き奉納を行ないます。
※ちなみに、この場所で行なうのは、八坂神社の境内末社である『秋葉神社』『愛宕神社』に対するものだと一説では言われています。
こうして16時前に終了すると、一旦休憩ですっ!
この後も引き続き奉納が続くのですが
次の場所というのが
・・・青島(あおしま)です!
※伊根湾に浮かぶ無人島なのです。
青島は伊根町を含む、丹後半島で仕事をする漁師にとって
『聖なる島』として信仰されています。
これは島の中に建つ『蛭子神社(えびすじんじゃ)』が理由の1つに挙げられます。
祀られている蛭子神は
あの七福神の1人『えべっさん』の事を指し
右手に釣竿、左手に鯛を抱えた姿から
海から来た神様と言われ『漁業の神様』として
篤い信仰を受けているんですね。
※この他にも、皆さんご存知のように『商売繁盛』の神様として知られていますよね。
この青島(蛭子神社)にて
17時より同様の奉納があるのですが・・
ここで突然の大雨っ!!
普通であれば、船での渡御となるので中止かな?と思いきや
地元の方にお話を聞くと
「雨が降っても絶対やってますよ。
青島への船渡御や蛭子神社の奉納を中止したなんて話は聞いた事が無い。」
と、おっしゃってましたよ。
こうしたエピソードを聞くと
漁業の町ならではだな~と感じますねっ
そんな話をしているウチに、奇跡的に雨が上がり
無事、問題なく渡御が行なわれました。
ちなみに、一般客が青島に行く事は
禁じられているそうなので、対岸からお見送りです~っ。
いってらっしゃい!!
30分後、無事に蛭子神社での奉納を終えて
『祭礼船』『神楽船』が帰ってくると
今度は『亀島区総代宅会所』前で奉納が行なわれます。
太鼓神楽や棒振り、太刀振りが一緒に行なう奉納は
ここが最後のようで
多くの方が見守る中、18時より奉納が行なわれました。
亀島区総代宅会所前での奉納の様子です。
今回はいつもと違い
獅子舞神楽の際に『ひょっと』や『おかめ』なども
奉納に加わっていましたよー!
この後、棒振りや太刀振りの子供達は
祭礼船に再び、乗り込みスタート地点に戻り奉納を行なうそうで
神楽も引き続き、氏子町内にて太鼓神楽を奉納するそうです
それにしても
小学生の子供も大勢参加しているのに皆さんタフですねっ
スタートからすでに6時間も経過しています(汗)
スゴイの一言ですっ。
そんな伊根町・亀山地区で行なわれた伊根祭の場所はコチラ↓
より大きな地図で 伊根祭(亀山地区) を表示