今回ご紹介するのは・・・
7月14日に南丹市美山町の田歌村(とうたむら)にある
八坂神社(やさかじんじゃ)で行われました
田歌の神楽です
南丹市は京都市の北西にある市です。
美山町は森林が大部分を占め
茅葺き屋根の民家が数多く残る
かやぶきの里としても有名なんですよ
そんな、かやぶきの里から
東へ7キロ程行った所にある田歌村に
八坂神社があります。
※田歌とは『踏歌(とうか・足を踏ん張り力強く太鼓を演奏する事)』がなまった言葉だと言われています。
祇園にある八坂神社の祭神
『素戔嗚尊(すさのおのみこと)』と同一視されている
牛頭天王(ごずてんのう)を祀っている神社です
※素盞嗚命は日本神話に登場する神様の1人で、天上界(高天原)から、葦原中津国(あしはらのなかつくに・日本の国土の事)に降り立った神と言われています。彼は、出雲地方に残されている出雲神話にも登場し、ヤマタノオロチを退治するお話などが残されています。詳しくは貴船祭 2012(貴船神社)の記事をご覧ください。
田歌の『祇園祭』や『祇園さん』とも言われ
五穀豊穣を願い
太鼓や舞が奉納されます
※京都府の無形民俗文化財に登録されているんですよ。
天狗や奴(やっこ・髭の様な化粧をした人)
ひょっとこ、お多福などが
宿(やど)から八坂神社まで行列する
ちょっと変わった祭です。
ちなみに宿とは集落にある十数件の家が
毎年、持ち回りで担当する
当番役の事です。
田歌の神楽は戦争中も途切れる事無く
400年以上に渡って
口伝で引き継がれている祭なんだそうです
それでは早速レポートしていきましょう。
12時頃、田歌村にある宿で
神職が関係者をお祓いし
その後、宿の前で奴が
「おいっ やとーせー やとーな」
という独特の掛け声とともに踊りを披露します
これを3回繰り返し
鬼、天狗、神職、奴、ひょっとこ、お多福、樽負い爺、神楽堂(太鼓の屋台)、笛
の順番で八坂神社へと向かいます。
先頭を行くのは2人の鬼で
割竹で道を祓うのだそうです
そして奴はそれぞれ棒を持ち
1番目が『草』
2番目が『蕾(つぼみ)』
3番目が『花』
を表現しているそうです。
宿から八坂神社までの約100メートルの道中では
奴が
「おいっ やとーせー やとーな」
の掛け声と共に踊りを数回披露します。
その都度、カメラマン達が
しきりにシャッターを切っていましたよ
鳥居前では
「おいっ 文福茶釜に毛が生えた~」
などと掛け声を変えて踊りを披露していましたよ。
道中の様子は動画でご覧ください。
13時頃、八坂神社へ到着すると
まずは神事が行われます。
20分程で神事が終わると
いよいよ神楽が奉納されます
神楽は、いくつか種類があり
・『ならし』
長老が一番最初に太鼓を叩き、続いて子供や大人が奉納
・『さんぎり』
奴と樽負い爺の打ち合いで、ゆっくりとした動作の樽負い爺を奴が強引に、どかしたりといった仕草が見もの
・『にぎまくら』
お多福とひょっとこによる奉納で、お多福は弱々しく、ひょっとこは勢いよく太鼓を叩きます。
・『三人舞い』
お多福・ひょっとこ・樽負い爺の3人が演じる舞で男根をぶら下げた樽負い爺がお多福を追いかける様子が見もの
こうして全ての神楽を奉納し終えると
再び宿へと戻り
長老による太鼓の奉納
祭は2時間程で無事に終了しました。
神楽の様子は動画でご覧ください。
田歌の神楽では
今年からオリジナルの手拭いを販売していました。
この手拭いは田歌出身の方が
『奴』『三人舞い』『ヤセ(鬼)』を
リアルに描いているんですよ
もちろん全てゲットしちゃいましたよー
とってもユーモラスな祭なので
ぜひ来年行かれてみてはいかがでしょうか
大きな地図で見る