今回ご紹介するのは・・・
7月10日に円蔵院(えんぞういん)で行われました
![金毘羅例大祭](2013/07/10/01/2013-07-10-10.jpg)
金毘羅例大祭(こんぴられいたいさい)です
円蔵院は宇治市にある曹洞宗(そうとうしゅう)のお寺です。
永井尚政(ながいなおまさ・江戸時代前期の大名)が
荒廃していた興聖寺(こうしょうじ)を
1649年に再興した事を起源とするお寺です。
そんな円蔵院で行われる金毘羅例大祭は
無病息災を祈願する祭なんですよ
お坊さんが般若心経を読経したり
山伏が願い事の書かれた護摩木を
焚き上げます。
※山伏とは験(しるし・霊力の一種)を身につける為に、山中にて厳しい修行をしている人達の事です。
では早速レポートしていきましょう。
16時頃になると
![金毘羅堂](2013/07/10/01/2013-07-10-1.jpg)
関係者は金毘羅堂で
大般若経の転読祈祷を行います。
大般若経とは
全部で600巻ある
最も有り難いお経と言われています。
全てを読むのには時間がかかるので
お経の最初・中盤・最後の数行を声に出して読み、間の部分は心で読む『転読』という方法が用いられるんですね
ちなみに転読が行われる金毘羅堂には
三社権現(さんしゃごんげん)が祀られています。
※権現とは神様の尊称の1つと言われています。
三社権現とは
・金毘羅大権現(こんぴらだいごんげん・水難除け)
・秋葉大権現(あきはだいごんげん・火難除け)
・熊野大権現(くまのだいごんげん・現在や未来を掌る)
の事です。
これらの大権現を祀っている事から
金毘羅堂で祈願をすれば
水難除け・火難除け、そして身体健全など
様々なご利益があると言われているんですよ
全てを転読し終えると
最後に住職は
600巻の中でも最も大事な部分である
![住職による理趣分の頭上転読](2013/07/10/01/2013-07-10-2.jpg)
『理趣分(りしゅぶん・第578巻)』を持ち
順に関係者、1人1人の頭上で転読していきます
こうして40分程で転読が終わると
![護摩焚き](2013/07/10/01/2013-07-10-3.jpg)
続いて、山伏による護摩焚きが行われます。
※金毘羅堂前に護摩壇が設けられています。
本堂から5人の山伏が法螺貝を吹きながら
金毘羅堂前まで移動し
![金毘羅堂前でお経](2013/07/10/01/2013-07-10-4.jpg)
まずはお経を上げます。
その頃になると
護摩壇前にはかなり人が集まり始め
賑やかになっていましたよ
そして10分程でお経を読み終えると
護摩壇の邪気を払う為
いくつかの作法を行います。
![法斧の儀](2013/07/10/01/2013-07-10-5.jpg)
『法斧(ほうふ)の儀』
斧で護摩壇を作る仕草を模したものです。
![法弓の儀](2013/07/10/01/2013-07-10-6.jpg)
『法弓(ほうきゅう)の儀』
護摩壇の東西南北と護摩壇、そして鬼門の方角に矢を放ち清めます。
![法剣の儀](2013/07/10/01/2013-07-10-7.jpg)
『法剣(ほうけん)の儀』
臨・兵・闘・者・皆・陳・烈・在・前という
九字(くじ・呪文の一種)を唱えながら
短剣を素早く動かします。
ここまでを動画でご覧ください。
これら3つの作法が終わると
願文(がんもん・神仏に祈願を伝える文書)が
読み上げられるんですね
その後、金毘羅堂から持ち込まれた火で
![護摩壇に点火](2013/07/10/01/2013-07-10-9.jpg)
護摩壇に点火します。
凄い勢いで煙が上がり
辺り一面は真っ白になっていました
しばらくすると
山伏がお経を唱え始め
![導師](2013/07/10/01/2013-07-10-10.jpg)
導師(どうし・リーダー)が
乳木(にゅうもく・護摩木の一種)を
護摩壇へ投げ入れたり
扇であおいだりしていましたよ
![投げ入れられた護摩木](2013/07/10/01/2013-07-10-11.jpg)
こうして山伏は
皆さんの願い毎が書かれた護摩木を
1時間程かけ焚き上げていました。
全てを投げ入れると山伏は本堂へと戻り
金毘羅例大祭は無事、終了です。
続きはこちらからご覧ください。
ちなみに護摩壇から出る煙を浴びると
無病息災になると信じられているんですよ
そんな金毘羅例大祭の行われた円蔵院の場所はコチラ↓
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