今回ご紹介するのは・・・

7月10日に円蔵院(えんぞういん)で行われました

金毘羅例大祭

金毘羅例大祭(こんぴられいたいさい)です


円蔵院は宇治市にある曹洞宗(そうとうしゅう)のお寺です。

永井尚政(ながいなおまさ・江戸時代前期の大名)が

荒廃していた興聖寺(こうしょうじ)を

1649年に再興した事を起源とするお寺です。


そんな円蔵院で行われる金毘羅例大祭は

無病息災を祈願する祭なんですよ


お坊さんが般若心経を読経したり

山伏が願い事の書かれた護摩木を

焚き上げます。

※山伏とは験(しるし・霊力の一種)を身につける為に、山中にて厳しい修行をしている人達の事です。


では早速レポートしていきましょう。

16時頃になると

金毘羅堂

関係者は金毘羅堂で

大般若経の転読祈祷を行います。


大般若経とは

全部で600巻ある

最も有り難いお経と言われています。


全てを読むのには時間がかかるので

お経の最初・中盤・最後の数行を声に出して読み、間の部分は心で読む『転読』という方法が用いられるんですね


ちなみに転読が行われる金毘羅堂には

三社権現(さんしゃごんげん)が祀られています。

※権現とは神様の尊称の1つと言われています。


三社権現とは

・金毘羅大権現(こんぴらだいごんげん・水難除け)

・秋葉大権現(あきはだいごんげん・火難除け)

・熊野大権現(くまのだいごんげん・現在や未来を掌る)

の事です。


これらの大権現を祀っている事から

金毘羅堂で祈願をすれば

水難除け・火難除け、そして身体健全など

様々なご利益があると言われているんですよ


全てを転読し終えると

最後に住職は

600巻の中でも最も大事な部分である

住職による理趣分の頭上転読

『理趣分(りしゅぶん・第578巻)』を持ち

順に関係者、1人1人の頭上で転読していきます



こうして40分程で転読が終わると

護摩焚き

続いて、山伏による護摩焚きが行われます。

※金毘羅堂前に護摩壇が設けられています。


本堂から5人の山伏が法螺貝を吹きながら

金毘羅堂前まで移動し

金毘羅堂前でお経

まずはお経を上げます。


その頃になると

護摩壇前にはかなり人が集まり始め

賑やかになっていましたよ


そして10分程でお経を読み終えると

護摩壇の邪気を払う為

いくつかの作法を行います。


法斧の儀

『法斧(ほうふ)の儀』

斧で護摩壇を作る仕草を模したものです。


法弓の儀

『法弓(ほうきゅう)の儀』

護摩壇の東西南北と護摩壇、そして鬼門の方角に矢を放ち清めます。


法剣の儀

『法剣(ほうけん)の儀』

臨・兵・闘・者・皆・陳・烈・在・前という

九字(くじ・呪文の一種)を唱えながら

短剣を素早く動かします。


ここまでを動画でご覧ください。


これら3つの作法が終わると

願文(がんもん・神仏に祈願を伝える文書)が

読み上げられるんですね


その後、金毘羅堂から持ち込まれた火で

護摩壇に点火

護摩壇に点火します。


凄い勢いで煙が上がり

辺り一面は真っ白になっていました


しばらくすると

山伏がお経を唱え始め

導師

導師(どうし・リーダー)が

乳木(にゅうもく・護摩木の一種)を

護摩壇へ投げ入れたり

扇であおいだりしていましたよ


投げ入れられた護摩木

こうして山伏は

皆さんの願い毎が書かれた護摩木を

1時間程かけ焚き上げていました。


全てを投げ入れると山伏は本堂へと戻り

金毘羅例大祭は無事、終了です。


続きはこちらからご覧ください。


ちなみに護摩壇から出る煙を浴びると

無病息災になると信じられているんですよ


そんな金毘羅例大祭の行われた円蔵院の場所はコチラ↓


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