今回は6月13日に猿丸神社(さるまるじんじゃ)で行われた

火焚き祭(ひたきさい)をご紹介します

猿丸神社は
宇治田原町(うじたわらちょう)にある神社で
祭神に『猿丸大夫(さるまるだゆう)』を祀っています。
ガンや出来物の平癒にご利益があるとして
こぶ取りの神様として親しまれています。
遠方からもたくさんの人が参拝に来られるそうですよ
※宇治田原町は京都府宇治市と滋賀県大津市の間にあります。
猿丸大夫は
『三十六歌仙(さんじゅうろっかせん)』の1人に数えられている事以外は
全てが謎に包まれた人物なんです
※三十六歌仙とは、平安時代中期の歌人・藤原公任(ふじわらのきんとう)によって選ばれた36人の和歌の名人です。
数少ない手掛かりと言えば
鴨長明(かものちょうめい・平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活躍した歌人)が書いた
方丈記(ほうじょうき・エッセイ)の中に
猿丸大夫の墓を訪ねた記述がある事くらいなんですよ。
※詳しくは、猿丸神社の記事をご覧ください。
そんな猿丸神社で行われる火焚き祭は
年が明けてから半年の間に溜まった穢れを祓い
願い事の書かれた『火焚串(ひたきぐし)』を焚き上げ 祈願成就を願う祭です。
※猿丸神社では6月と12月の2回、祭日である13日に火焚き祭を行っています。
元々は、お米を収穫した後に残った
『稲藁(いねわら・稲の茎)』を焚き上げて
豊作に感謝していたんですよ
だから火焚が行われるのは
11月頃が多いんですね。
では早速レポートしていきましょう。
14時頃、神職の方が本殿前に用意された

『井桁(いげた)』横で神事を行います。
※井桁とはヒノキで組まれた火床で、ここでは直径1メートルほどの大きさでした。

まず最初に修祓(しゅばつ・お祓い)や
祝詞(のりと・宣言)の奏上が行われます。
その後、いよいよ井桁の中にある

火焚串に火を点け

火焚串を投げ入れていきます

途中、大祓詞(おおはらえことば)を唱えたり

塩と

榊(さかき)の葉を
井桁に撒き、清めます。
※大祓詞は奈良時代から続く祝詞(のりと)の1つで、別名『中臣の祓(なかとみのはらえ)』と言います。
用意された約6千本の火焚串を半分ほど投げ入れると
願い事が成就するように
神職の方2人が井桁の前で1分ほど低頭する
『心中祈念(しんちゅうきねん)』を行っていましたよ
こうして1時間ほどで火焚き祭は
終了しました。
その後『古新札(こしんさつ・古いお札)』や
絵馬等も焚き上げられていましたよ。
水無月(みなづき・6月)に行われた火焚き祭の様子は動画でご覧ください。
初夏に火焚き祭が行われるのは珍しいので
気になった方は来年、足を運んでみてはいかがでしょうか
そんな火焚き祭が行われた猿丸神社の場所はコチラ↓
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