今回ご紹介するのは
5月26日に尾長野(おながの)で行われた・・・
![御田祭](2013/05/26/01/2013-05-26-4.jpg)
御田祭(おんださい)です
※毎年5月末の日曜日に行われます。
尾長野は京都府の北西部
丹波町下山(たんばちょうしもやま)にある地域で
素戔嗚尊(すさのおのみこと・祇園にある八坂神社の祭神)を
分けて祀った『八坂神社』がある事で知られています。
素戔嗚尊は古事記に登場する神様の1人で
ヤマタノオロチ(8つの首を持つ大蛇)から
櫛稲田姫命(くしなだひめ)を救い出し
結婚したエピソードが有名ですよね
※詳しくは、貴船祭 2012(貴船神社)の記事をご覧ください。
![御田祭](2013/05/26/01/2013-05-26-2.jpg)
今年で44回目を迎える御田祭は
豊作を祈願して
![神饌田](2013/05/26/01/2013-05-26-1.jpg)
『神饌田(しんせんでん・田んぼ)』にて田植えを行う神事です。
※1970年から行われているそうです。
それでは早速レポートしていきましょう。
10時から神饌田横に設置されたテント内で
神事を行います。
ちなみに
この尾長野は京都市内から車で1時間程の距離で
山と田んぼに囲まれた自然あふれる場所なんですよ
まず最初に修祓(しゅばつ・お祓い)や
降神の儀(こうしんのぎ・神様を迎える儀式)を行います。
続いて祝詞(のりと・宣言)を奏上し
![斎田清祓の儀](2013/05/26/01/2013-05-26-3.jpg)
斎田清祓の儀(さいでんきよはらいのぎ)において 神饌田を清め祓います。
そして、この後
![早乙女8人による田植え](2013/05/26/01/2013-05-26-4.jpg)
早乙女(さおとめ)8人により田植えを行います
頭には菅笠(すげがさ・竹や檜で作られた帽子)をかぶり
白と赤の着物に、金色の帯を巻いていらっしゃいましたよ。
この尾長野の早乙女は
尾長野区民の方と、八坂神社ガールスカウトの方で構成されているそうです。
今回植えられる苗は
神職の方から1度、田長(でんちょう・田植えの責任者)に手渡された後
早乙女らに配ります。
そして、神饌田に早乙女が横一列に並ぶと
いよいよ田植えが始まります。
![豊栄舞](2013/05/26/01/2013-05-26-5.jpg)
これと同時に巫女が『豊栄舞(とよさかまい)』を奉納します
※豊栄舞は、榊(さかき)や季節の花を右手に持って舞うのが特徴です。
10分程で田植えが終了すると
田んぼに入ってくる水を清める為に
![斎串](2013/05/26/01/2013-05-26-10.jpg)
斎串(いみぐし)を水口(みなくち・田んぼに水が入る場所)へ立てます。
その後、八坂神社ガールスカウトの女の子による
![鈴を使った神楽](2013/05/26/01/2013-05-26-6.jpg)
鈴を使った神楽が奉納され
![祇園八坂神社青年部の方による獅子舞](2013/05/26/01/2013-05-26-7.jpg)
続いて祇園八坂神社青年部の方による
獅子舞(雌雄2体)の奉納があります。
お囃子が鳴り響く中、2匹の獅子は
息を合わして舞っていましたよ
![丹波八坂太鼓保存会の方による太鼓](2013/05/26/01/2013-05-26-8.jpg)
獅子舞に続いて、丹波八坂太鼓保存会の方による
太鼓の奉納が行われます。
これらの奉納によって
獅子が稲の邪気を祓い
太鼓は稲に力を与えるそうです
※丹波八坂太鼓は江戸時代、農作業に必要な牛が疫病にかかった時、疫病退散の祈りを込めて神前で太鼓を奉納し、祈願した事が起源なんだそうですよ。
その後、昇神の儀(しょうしのぎ)で
神様を送り返した後
![玉串奉納](2013/05/26/01/2013-05-26-11.jpg)
最後に玉串(たまぐし・神様に奉げる榊の枝)を奉納し
1時間程で御田祭は終了しました。
ちなみに神饌田で育った稲は祇園の八坂神社に奉納され
祇園祭・神幸祭(7月17日)、祇園祭・還幸祭(7月24日)で使用される3基の神輿
『中御座(なかござ)神輿』
『東御座(ひがしござ)神輿』
『西御座(にしござ)神輿』
の屋根にある鳳凰や
擬宝珠(ぎぼうしゅ・玉葱の様な丸っこい飾り)に括り付けられるんですよ
この稲は縁起物とされ
熱冷ましの効果もあるそうですっ。
※神幸祭や還幸祭について詳しくは、祇園祭 2012 神幸祭(八坂神社・御旅所)、祇園祭 2012 還幸祭(八坂神社)の記事をご覧ください。
5月に御田祭を行った後は
10月・抜穂祭(ぬきほさい・育った稲を刈り取る)
11月23日・新嘗祭(にいなめさい・収穫した新米を神前に奉納する神事)
と続くんですね。
※祇園の八坂神社、御長野の八坂神社それぞれの本殿に使われている『しめ縄』は、この時の藁が使用されているそうですよ。
そんな御田祭が行われた尾長野の場所はコチラ↓
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