今回は4月21日に上賀茂神社で行われた
摂末社春祭(せまっしゃはるまつり)を紹介しますね
この摂末社春祭は
上賀茂神社の境内・境外の
摂社・末社に神饌(しんせん・お供え物)を供え
五穀豊穣を祈る春祭で
江戸時代には既に行われていたと言われています
摂社・末社に神饌を供えると言っても
上賀茂神社の摂社・末社は周辺にナント24社もあり
1度で全てを写真におさめるのは無理なんですよね。
※今回の摂末社春祭では、既に春祭が行われた摂末社を除く5摂社15末社に神饌を供え祝詞を奏上します。
では写真におさえられたモノを中心にご紹介したいと思います
朝10時、土舎(つちのや)で、まずはお祓いをします。
上賀茂神社のお祓いは他の神社とは少し違っていて
陰陽串(おんみょうぐし)を使います。
お祓いに使った串は土舎の横に流れる
ならの小川に投げ入れます
その後、本殿に行き神饌を持って
それぞれの摂社・末社にお供えに行き
社の前で祝詞を奏上します。
では撮影した摂社・末社をご紹介しようと思います。
片岡社(かたおかしゃ・摂社)
玉依姫命(たまよりひめ・下鴨神社の祭神)を祀っています。
彼女は上賀茂神社の祭神
『賀茂別雷大神(かもわけいかづちのおおかみ)』の母親です
子供を授かった事や
紫式部も何度もお参りに来ていた事から
縁結びの神様としても有名です。
※玉依姫命について詳しくは、上賀茂神社 その3の記事をご覧ください。
須波社(すわしゃ・摂社)
須波社は、宮廷や神社敷地を守護する神と言われる
『阿須波神(あすはのかみ)・波比祇神(はひきのかみ)』と
御物忌川(おものいがわ・みものいみがわ)と御手洗川(みたらしがわ)を守護する神と言われる
『生井神(いまいのかみ)・福井神(さかいのかみ)・綱長井神(つなながいのかみ)』を祀っています。
※この2本の川は境内を流れています。
岩本社(いわもとしゃ・末社)
岩の上に鎮座する岩本社には住吉三神である
『底筒男神(そこつつのおのみこと)、中筒男神(なかつつのおのみこと)、表筒男神(うわつつのおのみこと)』が
祀られていて、古くから歌人の守り神として信仰の篤い社だそうですよ
山口社(やまぐちしゃ・摂社)
山口社は穀物守護の神、田畑の神とされ
素戔嗚尊の子供にあたる
『御歳神(みとしのかみ)』を祀っています。
※素戔嗚尊について詳しくは、祇園祭 2012 疫神社夏越祭(疫神社)の記事をご覧ください。
山森社(やまもりしゃ・末社)
山森社は『素戔嗚尊、奇稲田姫神(くしなだひめのみこと)、田心姫神(たごりひめ・たきりびめ)』を祀っています。
素戔嗚尊と奇稲田姫神は夫婦とされている神様です。
※素戔嗚尊と奇稲田姫神について詳しくは、貴船祭 2012(貴船神社)の記事をご覧ください。
田心姫神は宗像三女神『市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)、端津姫命(たぎつひめのみこと)』の1人です。
※宗像三女神とは福岡の宗像大社に祀られている三柱の総称です。
梶田社(かじたしゃ・末社)
梶田社は『瀬織津姫神(せおりつひめ)』を祀っています。
瀬織津姫神は、罪穢れを大海原に持っていってくれる女神と言われています。
※瀬織津姫神は下鴨神社の井上神社(御手洗社)にも祀られているんですよ。
川尾社(かわおしゃ・末社)
川尾社は御物忌川を神格化した神様である
『罔象女神(みつはのめ・みずはのめ)』を祀っています。
水の神様と呼ばれています
橋本社(はしもとしゃ・末社)
橋本社は和歌・芸能の神としての信仰がある社と言われ
『衣通姫(そとおりひめ)』を祀っています。
棚尾社(たなおしゃ・末社)
棚尾社は門を守護する神である
『櫛石窓神(くしいわまど)・豊石窓神(とよいわまど)』を祀っています。
新宮神社(しんぐうじんじゃ・摂社)
新宮神社は元々は貴布祢社(きふねしゃ)と呼ばれ
祭神には高おかみの神様(おかみという字は雨かんむりに口を三つ、その下に龍)を祀っています。
※高おかみの神様は貴船神社の祭神で、水の神様と言われています。詳しくは、水まつり 2012(貴船神社)の記事をご覧ください。
こうして5人の神職がちらばり別々の場所で
各々に祝詞を奏上し30分程で神事は終了しました
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