こんにちは京子です
今回ご紹介するのは1月20日に
梨木神社で行われた・・・
元服式です。
鎌倉時代より続く流派『小笠原流』の礼法に基づき
新成人達が
直垂(ひたたれ)や水干(すいかん)に着替え
冠(烏帽子)を頂き、大人の仲間入りをする儀式です。
ちなみに
元服とは成人儀礼の1つで
時代により多少前後しますが
武家の場合であれば、男の子は10代半ばで元服していたんですよっ
男性4名、女性3名の計7名の新成人が
大人の仲間入りをするんですね。
では早速レポートしたいと思います!!
まずは1時より本殿にて神事が行われます
お祓いや祝詞の奏上の後
主役である7名の新成人が、最後に玉串の奉奠(ほうてん)を行います
※ちなみに、祀られているのは幕末の公卿『三條実萬(さねつむ)・実美(さねとみ)』親子です。彼らや梨木神社については、梨木神社 その1、梨木神社 その2の記事をご覧下さい。
約20分程の神事が終わると
境内にある能舞台へと場所を移し、元服式を行います
まずは
彼らの介添え役である『奉仕者』が
舞台の両端に敷物を敷き、新成人達を迎え入れます。
全員が着席すると
新成人達が1人ずつ『柳台(やなぎだい)』に上がり、着付けを行います。
男性と女性では着る物や作法が違い
男性は『直垂』、女性は『水干』に着替えます。
袖を通す順番も
男性は左から、女性は右からとなっているんですね
細やかな1つ1つの作法までバッチリ決まっているのです!
着付けの様子は動画で詳しくご覧下さい。
無事に着終えると、最後に
懐紙(かいし・懐に携帯する和紙。現在のハンカチやポケットティッシュのような物。)や
中啓(ちゅうけい・扇の一種・末広とも言います。)も
身だしなみのアイテムの1つとして身に付けます。
ちなみに、会場では細かい1つ1つの動きまで
小笠原流の方による解説が入っています。
彼らと言えば弓の流派という印象が強いですが
こうした礼法(所作)の流派でもあるんですね
※小笠原流は正式名称を『弓馬術礼法小笠原教場(きゅうばじゅつれいほうおがさわらきょうじょう)』と言い、弓術・弓馬術・礼法の流派だそうです。
この後、いよいよメインイベントである
『加冠の儀(かかんのぎ)』が行われます。
新成人と同席している
『因みの親(ちなみのおや・元服式での親代わり)』から
男性・女性それぞれに、烏帽子が被せられます。
烏帽子は位を表すものであり
立烏帽子(たてえぼし)など、様々な種類があります
かつては、元服を済ませた成人男性だけが
被れるものとされていたんですね。
その様子は、動画でもご覧下さい!
こうして大人の姿になった新成人達は
『因みの親』と供に、酒を酌み交わします。
分かりやすく言えば、宴会が始まるんですねっ
床飾りの1つであり、縁起物の『熨斗三方(のしさんぽう)』です。熨斗とは、もともと鮑(あわび)を干して長く伸ばしたものだったそうで、長寿を意味しているんですよ。宴会の前には『熨斗三方(のしさんぽう)の儀』が行われ、これを持って、奉仕者が能舞台を1周します。
新成人や因みの親の前には
お吸物と盃が乗った、お膳が運び込まれます。
そして、皆さんは、お吸物を口にしたり
瓶子(へいし)に入ったお酒を順に注がれ、呑みます。
※ちなみに盃を持つ手も、男性は左手、女性は右手と決まっているんですね。袖を通した手と同じです。
こうして
お酒も入った所で、新成人からのお礼という事で・・
因みの親に対して
『折り紙付き(鑑定書)の刀』を披露します
※保障できる物に対して、折り紙付きの○○!なんて言いますよね。語源は、このような刀の鑑定書にあるそうですよ。
奉仕者によって刀が持ち込まれ
因みの親の前に置き、見て頂きます。
そして最後には
因みの親から、新成人それぞれに対して
1冊ずつ書物が送られました。
※『弓と礼のこころ』という書物で小笠原流の方が書かれた本だそうです
こうして15時半過ぎに終了しました。