こんにちは京子です!
今回ご紹介するのは1月3日に
八坂神社で行われた・・・
初能奉納(はつのうほうのう)です
新春恒例行事である能の奉納が
八坂神社の能舞台にて行われます。
八坂神社の初能奉納では
『金剛流(こんごうりゅう)』と『観世流(かんぜりゅう)』の
方々によって行われます。
どちらも歴史ある大和四座の1つなんですよね
その中で、金剛流は
唯一、現在も京都を拠点として活動している流派で
能の人気演目『土蜘蛛 千筋の糸』の考案者である
金剛唯一(こんごうただいち)を輩出した事でも知られています
観世流は、その名の通り
室町時代の猿楽師であった
世阿弥(ぜあみ)や、その息子である観阿弥(かんあみ)を
祖とする流派です。
彼らは能の大成者と言われ
室町幕府のお抱えとなったんですね
では早速レポートしたいと思います!
9時より始まる初能奉納ですけど
およそ1時間前から
能舞台の前に並べられた長いすには
見物客で埋まり始め
開始30分前には、ほぼ満席状態でしたよ~
まず1つ目に行われた演目は
金剛流による
『翁(おきな)』です。
この演目は天下泰平を祈願する儀式的な演目で
舞台開きの時や
おめでたい席で演じる事が多いそうです。
つまり、お正月にはぴったりですね。
祈願を目的とした演目の為
神社などの神事で奉納される事が多く
『能にして能にあらず』とも言われています。
主な登場人物は3人で
千歳(せんざい)、翁(おきな)、三番三(さんばそう)です
まず始めに千歳が面を持って登場し
翁が後ろに続きます。
最初に千歳が舞い、その間に翁が面を付けます。
素顔で登場し、途中で面を付ける翁。
舞台上で堂々と面を付ける演目は『翁』だけなんですね。
面を付けた後、舞を披露します。
ちなみに
後ろに小鼓が3人配置されていますが
これも特徴の1つで
通常、他の演目では
演奏者の楽器は、重複する事はなく
それぞれが
別の楽器を演奏するそうですよ。
最後に登場するのが三番三です
3人の中で1番動きが激しく、躍動的なのも特徴です。
これに加え、素顔で舞った後
面を被り、鈴を持ち再び舞います。
こうして約40分ほどで『翁』は終了です。
ストーリー性などは無く
冒頭でもご説明した通り、祈祷の1つの儀式として
平安時代より
神社などを中心に行われていたそうですよ。
続いて奉納されたのが観世流による
『羽衣(はごろも)』です
こちらは先ほどと違い『仕舞(しまい)』の形態で行われます。
仕舞は見ても分かるように
お囃子などの打楽器は使わず
服装も裃や紋付袴の姿で演じます
長い演目などを簡略化する場合が多く
一部分だけを抜粋し、舞ったりするそうです。
※ちなみに初能奉納で行われる仕舞の演目は毎年変わるそうですよ。
『羽衣』という演目は
羽衣を落とし、空を飛べなくなってしまった天女と
その羽衣を拾った漁師のお話なんです。
この方が舞っているのは
羽衣を返してもらったお礼に天女が舞う姿だそうです。
こちらは約20分ほどで終了しました。
では、それぞれの舞を動画でご覧下さい。
こうして10時過ぎには全て終了しました~
ちなみに
初能奉納で行う『翁』は金剛流と観世流が隔年で
交互に受け持つ事になっているそうですよ。
そんな初能奉納が行われた八坂神社の場所はコチラ↓