いよいよ年越し!という事で
今回、除夜の鐘を撞きに行ったお寺は・・・
報恩寺(ほうおんじ)です
除夜の鐘を撞いてきましたよ~!!
この報恩寺の梵鐘(ぼんしょう・鐘)には
悲しいエピソードが残されている事から
通称『撞かずの鐘』とも呼ばれています
どういったエピソードかと言いますと
織物の町『西陣(にしじん)』にある報恩寺では
その昔、朝・夕に鐘を撞いていたそうで
織屋(おりや・織物を生業とする店)では
朝の鐘で仕事を始め、夕方の鐘で仕事を終えていたそうです。
さて、そんなある日
お店に住み込みで働いていた、男の子(丁稚・でっち)と
女の子(織女・おりめ)が
夕方に撞く鐘の音の数を賭けて勝負をしました
梵鐘は平安時代のものだそうで重要文化財に指定されています。
ちなみに彼らは日頃から仲が悪く
いつも喧嘩ばかりしていたそうです。
そんな仲の悪い2人が
鐘の撞かれる数で賭けを行い
女の子は『9つ』、男の子は『8つ』と言い
勝負をしたんですね。
ちなみに、正解は9つなんですけど
男の子は悪知恵が働き、夕方の鐘を撞く前に
報恩寺へ行き、寺男(てらおとこ・寺で雑用をする男性)に
今日だけは鐘の数を8つにしてもらうように
お願いしたのです
※本来、鐘は煩悩を消し去る為に撞かれると言われ、108(煩悩の数)の1/12である9回、撞いていたんですね。
境内にも、撞かずの鐘に関するエピソードが紹介されていました。
こうして夕刻を待って、2人は鐘の数を数えましたが
当然、その日は8回しか撞かれる事はなく
予想が外れた女の子は
散々、男の子に罵倒され、悔しさのあまり
報恩寺の鐘楼に帯をかけ、首を吊って死んでしまいました。
以後、彼女の怨念により
鐘を撞くと不吉な事が起こるようになり
報恩寺では、朝夕の鐘は撞かなくなってしまったそうです
こうした事から
現在でも『除夜の鐘』と『大法要』の年に2回以外、鐘は撞かれていないそうですよ。
鐘を撞く際は、焼香を上げてから行います。23時45分から鐘は撞かれ始めます。ちなみに0時前に到着すれば、0時20分には撞く事が可能です。
最後に
報恩寺についても簡単にご紹介しますと
室町時代に創建されたお寺で
通称『鳴虎(なきとら)』とも呼ばれています
これは戦国時代、秀吉が報恩寺の寺宝であった
虎が描かれた掛け軸を持ち帰った所
夜毎、その虎が鳴き出し
困った秀吉が、虎の掛け軸をお寺に返したという
エピソードに基づくものだそうですよ。
※この『鳴虎図』は、現在もお寺にあるそうですが通常非公開とされています。
そんな報恩寺の場所はコチラ↓