こんにちは京子です。
今回ご紹介するのは
11月26日に南座(みなみざ)で行われた
まねき上げです
南座は歌舞伎や演劇を行う劇場で
その始まりは江戸時代初期と言われています。
この時期には『顔見世(かおみせ)』と言われる興行があり
役者の名前が書かれた『まねき』が南座前に掲げられます。
京都の風物詩と言われているんですよ
※歌舞伎の始まりや顔見世について詳しくは、南座の記事をご覧ください。
まねきは『招き看板』を略した言い方で
ヒノキ板に書かれている書体は『勘亭流(かんていりゅう)』と呼ばれています。
独特の太くて丸い字は
隙間無くお客さんが入るようにとの願いが込められているんですよ。
ちなみに、まねきに字を書く事を『まねき書き』と言い
平安神宮近くにある妙傳寺(みょうでんじ)というお寺で
11月6日から書き始められていたそうです
『口上まねき』と言い、最後に書かれるまねきなんだそうです。
顔見世の興行を前に
今年は大小合わせて54枚の『まねき』を南座の正面に掲げ
関係者や一般人も塩をまいて清め
興行の成功と無事を祈るイベントです。
それでは早速レポートしていきましょう。
午前1時半頃、南座前に到着すると
4階建ての足場が組まれ、まねきを上げる準備をされている所でしたよ
それぞれの階に別れた4人の作業員が
南座の中央部分へ縦一列に揃うと
まねきを上へ上へとスライドさせて持ち上げていきます。
まねきを所定の階にまで上げると
竹にしばりつけてしっかりと固定します。
こうして順番にまねきを上げ
対面の道路側から位置の確認と調整をしながら
約1時間程で最上段のまねきは取り付けが完了していました。
※今年は全部で54枚のまねきが設置されるのですけれど、残りの1枚を除いてこの後全部取り付けられるんですよ
深夜に行われたまねき上げの様子は動画でご覧ください。
そして午前8時半頃
南座に再び到着すると
正面には53枚のまねきが設置されていました
9時になると三味線の音が流れる中
まねき上げの始まりです
まず最初に残り1枚である
片岡仁左衛門(かたおかにざえもん)さんのまねきが
作業員の方により難なく取り付けられましたよ。
その後、足場が10分程で解体されると
興行の無事と成功を祈って
『塩まきの儀』が執り行われます。
南座の支配人と副支配人の方が
正面中央で一礼をした後
両端と中央で塩をまきます。
その後、見物客も事前に渡された塩を使って
一斉に塩をまきます。
続いて
松竹株式会社執行役員の方による挨拶が行われると
6代目となる中村勘九郎(なかむらかんくろう)さんと
中村七之助(なかむらしちのすけ)さんが現れ挨拶をされます。
周囲からは
「よっ!中村屋!!」
と掛け声をしている人もいらっしゃいました
中村七之助さんは
大好きな父の名を大好きな兄が襲名する事を喜んでおられ
6代目となる中村勘九郎さんは
「私も愛される勘九郎になるように頑張るので劇場に足を運んでね」
と挨拶をされていました。
最後には会場にいる全員で一本締めをして
本日のまねき上げは終了しましたよ。
今年のまねき上げの様子は動画でご覧ください。
ちなみに今年の興行は今月の30日から来月の26日まで行われるので
お時間のある方は足を運んでみてはいかがでしょうか
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