こんにちは京子です。
今回ご紹介するのは11月3日に
道風神社(どうふうじんじゃ)で行われた・・・
お火焚祭(おひたきまつり)です
まず『お火焚』について
ご説明させていただきますと
江戸時代頃より京都を中心に始まった風習です。
宮中行事である『新嘗祭(にいなめさい・収穫祭)』の一種で
庭燎(にわび)を焚き、神楽を舞っていた事が
民間に広がり
神社などでも同様に、火を焚くようになったんですね
道風神社の本殿です。
お火焚の火にあたると
日頃の罪や穢れを祓い、心身を清める事が
出来ると言われています。
近年になると
お風呂屋さんなど、火を扱う家業の庭で
行われるようになり
神前にお供えした饅頭やみかんを
近所の人に配る風習もあるそうです
縦長に組み上げられた薪(松の木)です。こちらを燃やします。
この事から、お火焚の火で
みかんを焼いて食べたり、火にあたったりする事で
風邪を引かないとも言われています。
では早速、道風神社の『お火焚祭』をレポートしたいと思います!
神前のローソクに火が灯されますと
19時半より、まずは
本殿前に氏子町の方々が集合し
代表の方のご挨拶が始まります。
その後、全員で二礼二拍手一礼をします
ここで、神前に備えられていたローソクを
2つ持ち出します。
続いて左手にある『明王堂』でも同様に参拝し
いよいよ火が焚かれます。
縦長に組み上げられた
高さ約1.5メートルの薪(松の木)の両側から
2人で火を点けます
※この火をつける役目は、かつて厄年の人が行っていたそうです。
松の木はとても燃えやすい木で
つけた途端、勢いよく炎が燃え上がります
※松は『道風神社』のご神木でもあるそうですよ。
さて、ここで道風神社についても簡単にご説明しますと
平安時代の歌人・書道家である
『小野道風(道風武大明神・とうふうたけのだいみょうじん)』を祀る神社で
洛北の鷹峯(たかがみね)の山中にあります
道風と言えば
花札の絵柄でも有名な『小野道風と蛙』が有名ですね。
その絵では、スランプに陥っていた道風が
柳に飛びつこうとしている蛙を見て
「いくら飛んでも、カエルじゃあの柳には飛びつけないのに・・」
と思っていた、その時
偶然にも風が吹き、見事にカエルは柳に飛びつく事に
成功したんですね。
これを見て、諦めてはいけないと
血の滲む努力をしたというエピソードがあります
※ちなみに彼はあの世とこの世を行き来していたと言われる『小野篁(おののたかむら)』の孫にあたる人物です。小野篁については六道珍皇寺の記事をご覧下さい。
さて、お火焚はといいますと・・・
どんどん燃えていき、組み上げられた松の木も
崩れ始めました。
かつては
松の木が倒れた方向によって、来年の吉凶を占ったみたいですね
こうして
約40分ほど燃え上がり、火も小さくなると
徐々に、氏子町の方々も帰られます。
帰りにはお土産として
おこし(平安時代より伝わる、米で作られたお菓子。)や
みかん・柿を配ってらっしゃいましたよ
そんなお火焚祭が行われた道風神社の場所はコチラ↓