こんにちは京子です!
今回、ご紹介するのは8月23日に
京都・嵯峨野にある『阿弥陀寺』にて行われた・・・
六斎念仏奉納(ろくさいねんぶつほうのう)です
お盆の時期に合わせて毎年行われています。
まずは六斎念仏について、簡単にご説明しますと
今から1100年前、空也によって行われた事が起源とされ
六斎日(月に6日ある、災いを呼ぶ日)に鉦(しょう・円盤状の鐘)を使って
念仏を唱えていた事に由来します。
江戸時代には大衆化し、宗教色が薄れ
念仏に独特の節回しが付き、太鼓が加わりました
現在は大きく『念仏六斎』と
歌舞伎や狂言の出し物を取り入れた『芸能六斎』に分かれ
引き継がれています。
京都には14もの六斎念仏保存会があり
今回、阿弥陀寺にて奉納するのは
『嵯峨野六斎念仏(さがのろくさいねんぶつ)』の方々です
ちなみに
阿弥陀寺と嵯峨野六斎念仏は深い関わりがあります。
古くは江戸時代より続いていた嵯峨野六斎念仏でしたけれど
明治期になり、一時中断してしまったんですね。
しかし大正9年に
阿弥陀寺の表門と塀が
地元の有力者『北村覚次郎(きたやまかくじろう)』によって寄贈されると
その竣工式で
すでに忘れ去られようとしていた
「六斎念仏を演じようじゃないか」という話しが持ち上がったんですね。
これがきかっけで、北村覚次郎が
着物や下駄などの衣装を地元の人達にプレゼントし
嵯峨野六斎念仏が見事に復活し
再び演じられるようになりました。
以後、後世に六斎念仏を残していこうと
阿弥陀寺を本拠地として活動されているんですね
では早速レポートしたいと思います
20時に阿弥陀寺へやって来た京子。
まずは
六斎念仏ではおなじみの演目である
『発願(ほつがん)』からスタートです。
六斎念仏は基本的に、太鼓役の方たちが
リズムに合わせて動きながら、派手に叩き
それに合わせて
笛や鉦などが音色を付ける演目が中心です。
これに加え、歌舞伎や狂言などから演目を取り込んだものが
芸能六斎のスタイルなんですね。
各保存会によって演目は微妙に違い
中には
嵯峨野六斎念仏でしか行われていない演目もあるんですよ
では
今回、披露された演目から
いくつかご紹介させて頂きます。
猿廻し
大太鼓(ドロ太鼓とも言うそうです)を中心に
猿がおどけるように太鼓を叩きながら
ぐるぐると回る演目です。
これは他の保存会でもよく行われている演目です
時雨
女性の格好をした2人と坊主姿の男性が
おどけながらユーモラスな動きで見物客を魅了します。
この演目は
嵯峨野六斎念仏で初めて目にする事が出来ました
四ツ太鼓
六斎念仏ではスタンダードな演目です。
しかし
嵯峨野六斎念仏では
途中で『ひょっとこ』に扮した男性が叩くところが
他の六斎念仏とが違う点でしたね
祇園ばやし
祇園祭では各山鉾町の方が演奏してらっしゃるお囃子です。
こちらもスタンダードな演目ですけど
嵯峨野六斎念仏では赤い髪をした『棒振り』が登場したり
先ほどの登場した『ひょっとこ』や
他にも『おかめ』や『獅子』に扮した小さな子供達が登場する点が
他の六斎念仏とは違いましたね
※棒振りに関しては祇園祭 綾傘鉾(八坂神社)の記事をご覧下さい。
越後獅子
獅子姿の男性4人が太鼓を片手に踊る演目です。
嵯峨野六斎念仏の十八番と言われているんですよ♪
手に太鼓、下にも太鼓を置き、起用に両方の太鼓を叩きます。
こちらもユーモラスな動きで
楽しませていただきましたっ。
以上の演目を動画でどうぞっ!
そして最後にご紹介する演目は
獅子舞と土蜘蛛です
六斎念仏と言えば・・・最後はコレですよね。
まずは獅子舞が登場し
次々とアクロバティックな技を披露します。
この獅子舞の数は
六斎念仏保存会によって違うんですけど
嵯峨野六斎念仏では
最多となる3匹もの獅子舞が登場していましたよ
最後には碁盤の上に乗り
おなじみの決めポーズを披露していました
次に土蜘蛛が登場し、獅子舞と戦います。
蜘蛛は悪、獅子舞は善とされいて
最後は土蜘蛛を蹴散らし、獅子舞が勝利します。
土蜘蛛の糸が放たれる部分はお約束で
待っていました!という感じで
皆さん食い入るように見ていらっしゃいました
という事で約1時間半におよぶ演目も
無事に終了です。
嵯峨野六斎念仏は他の六斎念仏に比べ
『芸もの』と呼ばれる演目が多く
派手な衣装を着て太鼓を叩いているものが
多数あったの点が印象的でしたね
この他にも
全部で18もの曲(囃子)が演奏されるのも特徴的です。
これらすべてを演じる事を『一山打ち(いちさんうち)』と
言うそうです。
しかし現在は後継者が少なくなり
やむなく休止している曲も若干あるみたいで
後継者の育成に今後力、を入れるそうですよ
完全復活する日が来ると良いですねっ。
そんな六斎念仏が奉納された阿弥陀寺の場所はコチラ↓