こんにちは京子です!
今回ご紹介するのは
6月30日に上賀茂神社で行われた・・
夏越の大祓(なごしのおおはらえ)です
一年の半分にあたる6月30日に
半年分の穢れや罪を祓い、残り半年の無病息災を願う神事です。
京都の多くの神社で
同様の神事が行われ
境内に茅の輪(ちのわ)と呼ばれる
茅(ちがや)の草で編まれた輪が作られ
これを参拝者がくぐる事によって穢れを祓う事が出来きます。
※上賀茂神社以外の茅の輪に関しては『京の茅の輪巡り』をご覧下さい。
この他にも『人形(ひとがた)』と呼ばれる紙に
穢れを移し、川に流したり、燃やしたりするんですね。
では早速、上賀茂神社で行われた
夏越の大祓をレポートしたいと思います。
朝10時に境内に到着した京子。
上賀茂神社では
二ノ鳥居と立砂の間に直径メートルほどの
『茅の輪』が置かれています。
ここで夏越神事が行われます。
まずは神職の方や巫女さんなどが
隊列を整え
一列に並び茅の輪をくぐっていきます。
くぐり方にも作法(順路)があって
①茅の輪をくぐり左に旋回
②元の位置へと戻り、再び茅の輪をくぐり右に旋回。
③再び元に位置に戻り、茅の輪をくぐり左に抜ける。
こうして合計で3度くぐります。
この茅の輪くぐりは参拝者の方ももちろん出来ますよ。
※上賀茂神社では6月10日より30日まで茅の輪くぐりをする事が出来ます。
ちなみに左右左と8の字を描く回り方は
神職の方が扱う御幣の振り方と同様なんだそうです。
穢れを祓う効果があるという事なんですね
そして、くぐるだけでは無く
次の言葉を唱えながらくぐるのも作法の1つなんです
水無月の夏越の祓へする人は 千歳の命 延ぶというなり
(みなづきのなごしのはらへするひとは ちとせのいのちのぶというなり)
これは
「茅の輪をくぐって夏越の祓いをした人は、寿命が1000年にも延びますよ。」
という意味なんですよ。
災いや穢れを取り払い、長生きしましょうという願いが
茅の輪くぐりには込められているんですね
その後、神職の方は橋殿(はしどの)や本殿にて、お祓いの神事を行い
一旦終了します。
橋殿での神事において使われたものです。右手にあるのは人形です。蓋がしてある中には切麻(きりぬさ)と呼ばれる小さく切り刻まれた紙が入っています。これらはお祓いの道具なんですね。
本殿へと戻る神職の方たち。
夏越豆腐です。京都豆腐組合の方が2002年に始められたそうで、この日は無料で振舞われていました。
そして20時から
『人形流し(ひとがたながし)』が行われます。
冒頭でもご説明した通り
人形は人間の形をした直径10センチ程の紙で
これに氏名・年齢(数え年)を記入した後
体に軽く擦り付け
息を3度吹きかけ人形に穢れを移します。
※上賀茂神社では人形に加え、『車形(くるまがた)』もありました
こうして参拝者の穢れが移された人形は集められ
橋殿の上から
境内を流れる『ならの小川』に流されます。
夏越大祓が描かれた絵馬です。
夜でも多くの人が茅の輪をくぐってらっしゃいました。
この時に
「風そよぐ ならの小川の夕暮れは みそぎぞ夏の しるしなりける」
百人一首に収録されている
藤原家隆(ふじわらのいえたか)の歌が詠まれます。
これは上賀茂神社にゆかりのある歌で
「楢(なら)の葉が風でそよぐ夕暮れは秋の気配を感じるが
ならの小川で行われる6月の禊(みそぎ・罪や穢れを水で清める事)を見ると
まだまだ夏なんだなと思い知らされるなぁ。」
と言っているんですね。
※6月の禊と言うのが現在の人形流しの事です。ちなみに旧暦の7月は暦の上では立秋にあたります。
そして、いよいよ人形流しが始まります
境内にはかがり火が焚かれ
幻想的な雰囲気の中
神職の方が次々と人形を流していきます
時間にして30分ほどをかけて
数万枚にも及ぶ人形が
ならの小川に流されます
この他にも
絹を両手でいくつにも裂いて川へと流していました。
これは切り裂く事によって厄払いをする効果があったり
神前に絹や木綿の布を差し出し
罪や穢れを祓う代償として引き裂いているそうで
古来から伝わる作法の1つなんですね
こうして、みなさんの穢れは祓われ
残り半年の無病息災を願い
神事は終了しました
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