こんには京子です
今回ご紹介するのは6月8日に
県神社(あがたじんじゃ)で行われた
大幣神事(たいへいしんじ)です。
疫病退散や五穀豊穣を祈願して行われる
平安時代から続く神事で
大きさ6メートルほどの大幣(おおぬさ)が辺り一帯(県神社やJR宇治駅周辺)を巡行し厄を集め最後に宇治川へと投げ捨て、災いを洗い流します。
まずは朝10時より県神社に隣接する『大幣殿(たいへいでん)』にて
神事が行われます。
建物の中には大幣が祀られ
時代装束に身を包んだ参加者約80人が集まり
神職の方によるお祓いを受けます。
そして祝詞(のりと)や玉串奉納が行われます
一通りの神事が終わると慎重に大幣を運び出します。
そして県神社前で隊列を整えた後
まずは『県通り』を北上し宇治橋西詰めまで
行列が移動します。
こちらは騎馬神人(きばしんじん)です。頭にたくさんの御幣を付けています。神事の中ではお祓いを行う役目があります。
行列の中ほどを歩く大幣はとても大きく
大人5人によって持ち運びされています。
1人が竿(中心の棒)の根元を持ち、後ろ向きに舵をとりながら進み
大幣の内部から2人が持上げ
さらに外側、左右から2人が青竹で支え運びます
御幣が貼り付けられている以外に
大幣の先には3つの黄色い傘と3本の松もくくりつけてありました。
こうして約15分ほどをかけて宇治橋西詰めに到着します。
交差点で大きく旋回する行列。
一度休憩を挟んだ後は『新町通り』を
宇治神社の御旅所方面へ向けて進みます
そんな行列をひと目見ようと
多くの方が家の前に出て行列を見送ります。
ちなみに行列が通ると
皆さん御幣を頂きます。
※大幣とは別に御幣だけを配っている人から貰っていました。
この御幣には『厄除け』として効果があり
家に持ち帰り玄関などに備え付けるのが慣わしだそうですよ。
行列には巫女さんも参加されています。手には季節のお花(花菖蒲・はなしょうぶ)を持っていらっしゃいました。
大幣についてもう少し詳しく解説すると
渡御の際は
特定の場所で大幣の竿を地面にコツンと当てると同時に
拍子木を打ち鳴らしていました。
どうしてこれをするのか詳しくはわかっていないそうなんですが
かつて芸能が施されていた場所(施設)の前だから
音を鳴らしていると言われています。
こうして宇治神社の御旅所に到着すると
『馬馳(まばせ)の儀』と呼ばれる神事が行われます。
御旅所の西側に『一ノ坂』と呼ばれる坂道があり
ここを騎馬神人が馬で何度も駆ける事によってお祓いをする意味があります。前の道路を封鎖し
約100メートルほどのアスファルトの道を
騎馬神人の乗った馬が4往復駆け抜けます
それが終わると行列は
最初のスタート地点である県神社前へと帰って来ます
練り歩きながら厄を集め終えると
いよいよ神事はクライマックスを迎えます。
行列は解散し
持ち手である白いはっぴを着た幣差(へいさ)が
通行止めされた道の真ん中で
大幣をぐるぐる3度回します
次に、これまで大切に扱っていた大幣を
突然地面に叩き付けると同時に黄色い傘が引き剥がされます
そして10人の幣差が県通り(約400メートル)を
縄でくくられた大幣を引きずり
全速力で一気に駆け抜けます!!!
さらに後ろからは騎馬神人が馬で追いかけるんですね
一ノ坂同様『県通り』を走る事で最後のお祓いをします。
そしてゴール地点である宇治橋に幣差たちが辿り着くと
すぐさま大幣を壊して
勢いよく宇治橋から豪快に放り投げていましたよ~
※騎馬神人はその様子を見届ける役目もあると言われ、無事に宇治川に大幣が投げ込まれるのを確認するとすぐに引き返していました。
という事で
こうして大幣を投げ捨て
無事に災いを洗い流した大幣神事は
12時過ぎに無事終了しました
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