こんにちは京子です!
今回ご紹介するのは5月1日に
上賀茂神社で行われました・・
賀茂競馬足汰式(かもくらべうまあしそろえしき)です。
5日に行われる賀茂競馬(かもくらべうま)に先立ち行われる神事です。
では、はじめに賀茂競馬についてご説明しますと
1つのコースを2頭ずつの馬が走り
互いの速さを競い合うもので、毎年大勢の人で賑わう人気行事です
※去年の様子は『賀茂競馬 2011(上賀茂神社)』をご覧下さい。
今回行われた『賀茂競馬足汰式』では
当日出場する馬を本番同様のコースで試走させながら
馬の優劣を判断し組み合わせを決定するものです。
その名の通り組み合わせを考え
足並みを揃えるって事ですね
まずは北神饌所(きたしんせんじょ・庁屋とも言います)に皆さんが集合されます。
12時半に太鼓が鳴らされて神事が始まります。
祝詞が奏上されたあとに一同は
北側に位置する摂社、山口神社へ向かいます
そしてこの神社の前に流れている沢田川で
乗尻(のりじり)達がそれぞれの鞭を清めるんです。
※乗尻とは騎手のことです。
烏帽子に浄衣の装束姿が素敵な乗尻。
乗尻は代々、賀茂社の社家の血を引く一族しか出来ないそうです。
しかし末裔は全国に散らばってしまい
京都に住んでいる人たちだけでは人数が足りない為
遠くは青森などから、この日の為に参加されている方もいるようです。
伝統を守るって大変な事なんですね♪
この後一旦、北神饌所へと戻り
騎乗の準備を始めます
次に隣のならの小川へ移動して
『足洗いの儀』が行われます。
出走する馬の足や乗尻の足袋・袴を
ならの小川を使って清めます。
乗尻の足袋を濡らすのは
安全に騎乗するためなんです。
鉄製の鐙(あぶみ)から足が離れにくくしているんですね。
この後、馬場殿(外幣殿)へと移動し
『毛付けの儀』が行われます。
ここでは神職が馬の毛並みや歯などを見て
健康状態や馬の年齢を確認します。
そして、いよいよ13時過ぎから『賀茂競馬足汰式』が始まります
馬が走るコースは本番と同じく
一ノ鳥居から二ノ鳥居までの間にある直線コース!
(約200メートルの芝生)
南から北へ向かって走ります。
馬は全部で12頭出走し、それぞれ2回ずつ走ります。
まずは1回目。
コースを1頭ずつ走っていきます。これを素駆(すがけ)と言います。
この素駆で馬の実際のスピードや乗尻の乗馬技術などを見ます。
※ムチの入れ方や騎乗姿勢など細かい所まで馬場殿からチェックされるんです。
こうして馬の格付けが行われ
『上の上』から『下の下』までランクが付けられます
この馬たちは『美作国倭文庄(みまさかのくにしどりのしょう)』などの名前が付いています。
これはかつて堀河天皇が賀茂競馬にかかる費用を負担する為に
全国の荘園を寄進した事が理由になっているようで
かつては競馬に出場する馬は
毎年その荘園から出されていた為
荘園の名前がそれぞれの馬についているんですね。
こうして、全12頭の素駆が終わると
走る順番(番立・ばんだて)が組まれます。
慣例により
第1の荘園『美作国倭文庄』と第2の荘園『加賀国金津庄』の馬は
本番では最初に一緒に走り
『美作国倭文庄』が勝つ事があらかじめ決まっています
ですので、実際は残る10頭から番立を決定します。
ちなみに、賀茂競馬では
2頭同時に走り出すのではなく
ゴール地点での差で勝敗が決まるんですね。
つまり、差が詰まっていれば後者の勝ち。
差が広がっていれば前者の勝ちというワケです。
番立が組まれると、今度は本番の試合と同じように
2頭一組で走ります~。
こうして、激しくムチも入り
気合の入った前哨戦を見る事が出来ました♪
走り終わった馬たちはその後
先ほどの馬場殿まで戻ります
これを12頭全てで行って
賀茂競馬足汰式は終了になります。
という事で5月は葵祭関連のイベントが目白押しです。
皆さんも是非参加されてみてはいかがでしょうか?
そんな賀茂競馬足汰式が行われた場所はコチラ↓
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