こんにちは京子です
本日は、妙心寺の境内塔頭である
東林院(とうりんいん)で
1月31日まで行われています・・・
『小豆粥で初春を祝う会』をご紹介します
まず、東林院を簡単にご紹介しますと
1531年に細川氏綱(ほそかわうじつな・室町時代の管領の一人)が
父親の菩提を弔う為に建立された三友院(さんゆうりん)を起源とする寺院です。
1556年には、現在の場所(妙心寺の境内)に移され東林院と改名され
この時に、細川氏の菩提寺から山名氏の菩提寺になったそうです。
※細川氏は室町幕府の三管領(さんかんれい)の一つで、管領というのは将軍を補佐する役職の事です。
『小豆粥で初春を祝う会』は
東林院において、毎年1月15日から31日まで行なわれている
精進料理「小豆粥(あずきがゆ)」を食べる行事です。
小豆粥(桜粥や餅粥とも呼ばれます)を食べると
その年の一年の邪気を払い、万病の取り除くという言い伝えがあり
年の初めにこうして行われているんですね
まずは方丈から入り、お堂をどんどん進んで行きます。
書院に通されます。
こちらで『福茶と祝菓子』をいただきます。
右手の梅湯は梅干に白湯を注いだもので
これを飲む事で口の中の汚れを清め、心身の邪気を祓う事が出来ます
祝菓子の方をご説明しますと
左上から時計回りに
柿・くわい・みかん・結び笹(和菓子)・昆布・豆(紅白)・松の雪(和菓子)
が並んでいます♪
※食べ物にはそれぞれ厄払いや縁起物の意味があり、解説したプリントも用意されていました。
お茶菓子をいただきながら素敵なお庭も鑑賞
少し地面が盛り上がっている所に植えられているのは
沙羅双樹です。
東林院では、6月に『沙羅の花を愛でる会』も行なわれています
達磨図ですね。お堂内はいつでも自由に見れるわけではなく通常は非公開のお寺です。
ちょうど隠れていますけれど、奥には本尊である観世音菩薩が祀られています。
書院で福茶と祝菓子を頂くと
「しばしお待ち下さい。」との事で
精進料理の準備をして下さいます♪
しばらくすると名前を呼ばれ場所を移動します。
千両の庭を通り、別室へ
赤く咲いているのが「センリョウ」という植物です♪
だから庭の名前が千両なんでしょうね。
中へ入ると、お膳が配られ小豆粥(精進料理)が運び込まれます。
食べる前に
お寺の方から『食事に対する心掛け・作法』についての説明を受けます。
簡単に説明しますと
以下の点を心掛けて食事をしましょう。との事です。
『食事五観文(しょくじごかんもん)』
1.食事はいかに多くの人の手数と労力が費やされているか、その苦労を思い天地自然の恩恵を忘れてはならない。
2.自分の人格の完成を目指し、また自分の務めを成しとげるために食事をする。
3.食べ物に対して不平や不満を抱かず、飲み過ぎ、食べ過ぎの貪る(むさぼる)心を起こさないよう、食事は心の修行である。
4.食事は、飢えや渇きをいやし、心身の枯死(こし)を免れる良薬と思って、決しておろそかに食べないという心、平和な心持ちで食する。
5.人として正しく生きることを成就するための食事であることに対して、反省と感謝の心を持ち、新たな近いを心に持ち行なうこと。
以上の事を踏まえた上で・・・
「さば(生飯)の儀式」を行ないます。
自分たちの頂く食べ物の中から少量(米7粒ほど)を
庭にやってくる小鳥などの為に分け与え施します(恵みます)。
施した小豆粥は写真のように
沙羅双樹の庭にこうして置かれる事になります。
※朝には小鳥などがついばみ、綺麗に無くなるそうですよ。
枯山水の大庭園です。毎年10月行なわれる夜間拝観『梵燈のあかりに親しむ会』では、庭一面に梵燈(ぼんとう)と呼ばれる手作りの灯籠が所狭しと並び、綺麗にライトアップされます。
ちなみにメニューはどんなものかと言いますと
小豆粥(餅入り)を中心に、大根と揚げを炊いたものや
黒豆、お漬物(たくあん)、昆布の揚げ物、などがあります。
京子も、先ほどの教えに従い
感謝の気持ちを忘れず、一粒残さず食べました~
ご馳走様でした。
そんな小豆粥で初春を祝う会が行なわれた
東林院の場所はコチラ↓