こんにちは、京子です
さて、本日は
京都に行かれた際は修学旅行で回られた方も多いんじゃないでしょうか?
世界遺産にも登録されている、平安京の入り口を守るお寺
![東寺(教王護国寺)の概観](2010/08/31/01/2010-08-31-1.jpg)
東寺(とうじ)です
別名、教王護国寺(きょうおうごこくじ)とも言います
![東寺(教王護国寺)の解説板](2010/08/31/01/2010-08-31-2.jpg)
ではでは、どーして東寺と呼ばれるようになったのでしょう?
その理由は建設時まで遡ります。
![東寺(教王護国寺)の石碑](2010/08/31/01/2010-08-31-3.jpg)
794年に平安京に遷都されたその2年後である
796年に都の南玄関と呼ばれる「羅城門」の東に作られたのがこの東寺だったんです。
つ・・ま・・り
羅城門の西にもうひとつのお寺である西寺(さいじ)があったんですね。
ちなみに現在は廃院となり、もうその姿はありません。
![東寺(教王護国寺)のこま札](2010/08/31/01/2010-08-31-4.jpg)
では、さっそく中へ入ってみましょう!!
![東寺(教王護国寺)の正門である南大門(なんだいもん)](2010/08/31/01/2010-08-31-5.jpg)
ドでかーい
こちらが、正門である南大門(なんだいもん)です。
見事な門ですけれど、一度焼失してしまったそうで、その後再建されたそうです
![東寺(教王護国寺)の南大門に吊るされた提灯](2010/08/31/01/2010-08-31-6.jpg)
南大門に吊るされた提灯
さて
この東寺を任されたのが、ある一人の僧侶・・・
![東寺(教王護国寺)の弘法大師「空海」(こうぼうたいしくうかい)](2010/08/31/01/2010-08-31-7.jpg)
弘法大師「空海」(こうぼうたいしくうかい)です
以前に書いた延暦寺でも、この空海をご説明させていただきましたけれど
とにかく、天才としか言いようのない空海。
彼の天才ぶりを語る上で有名なのが
804年に遣唐使として日本から船で入唐するエピソード!
その天才ぶりが発揮されます
空海を乗せ日本を出て唐に向かいますが
その船が嵐に合い、流されてしまい
中国の福州(現在でいう福建省あたり)に辿り着きました。
しかーし!!
そこでなんと空海は海賊と間違えられてしまいます。
![東寺(教王護国寺)の空海絵馬](2010/08/31/01/2010-08-31-8.jpg)
空海はもちろん絵馬にもなっています。
さて、ここで空海のエピソードをお話しながら
グルッと時計周りで東寺をご紹介させていただきますねっ。
![東寺(教王護国寺)の大師堂(御影堂)](2010/08/31/01/2010-08-31-9.jpg)
大師堂(御影堂)
こちらは、空海の住居となっていた場所で
中には国宝である不動明王像や、弘法大師坐像が安置されています。
非公開だったのが残念(泣)
そして、こちらには四国の大きな地図もあり
うーん、四国何だろな
と思っていたら・・・
そうだったんです。
お遍路(おへんろ)ですよね
白衣に身を包み、杖をつきながら四国88箇所の寺を巡る巡礼。
みなさんもテレビなどを通してご覧になった事ありますよね!
この88箇所は、空海ゆかりの寺で
今でも空海が巡っているとされて同じように訪れる
事でご利益が得られると言われているんですね。
その88箇所巡礼の出発寺は、なんと・・・この東寺からだったんですね。
![東寺(教王護国寺)の講堂](2010/08/31/01/2010-08-31-10.jpg)
そして、その次に出てくるのが
講堂
こちらも中は撮影禁止でしたけれど
撮影以外にも
スケッチも禁止
中は見事な仏像の数々なので思わずスケッチしたくなる人が絶えなかったんでしょうね(汗)
そんなこちらの講堂は
空海が習得した真言密教という、言葉では伝えられない
秘密の教えを堂内の仏像21体が表しているそうです。
ちなみに、観光に訪れた人に人気と言われているのが
ハンサムな顔立ちの
帝釈天半跏(たいしゃくてんはんか)像だそうです。
是非、こちらに訪れた際はチェックしてみてくださいね
さてさて、海賊に間違えられた空海。
入港もままならなかったようです。
※ちなみにこの遭難は二ヶ月にも渡っており、もうヘトヘトだったでしょうね(汗)
しかし、この大ピンチにどうやって現地の人々を納得させたかというと・・・
それは空海の一筆だったんですね
そうです、「字」なんです。
海賊に間違えられた空海は
スラスラスラーっと書いた上申書
※「大使の為に福州の観察使に与ふるの書」と言われています。
の文章の、そのすばらしき壮麗さによって
「こんな上手な字を書ける奴は、海賊なんかじゃねぇわ。たまげたっ・・タダ者じゃねぇヤツだ。」
と、一筆で人々を納得させたそうです。
彼は後に日本で「綜芸種智院(しゅげいしゅちいん)」という学校を開きました。
当時、貴族の位でしか受けれなかった教育を庶民にも開放した施設作りの構想をしており俗人も僧侶も儒教、仏教、道教などあらゆる思想や学芸を総合的に学ぶ事の出来る学校の建設をしたと言われています。これが後に真言宗系の大学である「種智院大学」そして姉妹校として洛南高等学校・附属中学校があります。
それほどまでに空海の字は達筆だったんですね。
これにより見事に入港、唐に渡ったとされています。
そして、そこで学んだのが
先ほども何度か出てきましたけれど
真言密教というものだったんです
これはわかりやすく言うと
言葉で説明できるものではなく、肉眼でも見えない、
耳にも聞こえず、心に直接語りかける教えなのです。
そして、この密教を空海が教わった人物が恵果(えか)という人で、唐の僧だったんですが彼が死去し、密教の継承者が日本では空海一人となった事もあり空海が日本において、注目される事と以後なりました。
空海が引き当てたという泉もあるそうです。
![東寺(教王護国寺)の花札の絵柄でも有名な「小野道風と蛙」に描かれている柳](2010/08/31/01/2010-08-31-11.jpg)
花札の絵柄でも有名な「小野道風と蛙」に描かれている柳。小野篁の孫であり、平安時代の貴族、小野道風(おののみちかぜ)は書道家でもありスランプに陥っていた時この柳に飛びつこうとしている蛙を見て、「バカだな、いくらもがいても無駄なのに・・・」と思っていたその時、風が吹き、偶然をも味方にし、見事に柳に飛びつくことに成功した蛙を見て「バカは自分だった!」と血の滲む努力をしたというエピソードがあります。
っと!ここで!!
みなさん、いよいよお待たせしましたっ。
やっぱり東寺と言えば、これしかないですよね!!
そうです・・・
![東寺(教王護国寺)の五重塔](2010/08/31/01/2010-08-31-12.jpg)
五重塔
実は、この塔、落雷などにより、現在までに4度も再建されこちらは、1644年に再建された五代目になるんです。
この中には極際色に彩られた密教空間が広がっていると言われ
もちろん非公開!!(泣)
大日如来を中心に4尊の如来、8尊の菩薩が安置されているようです。
下から見上げる五重塔。
やっぱり実際に近くで見ると
その黒く光ったボディの存在感に圧倒されちゃいますね
そして、最後にご紹介するのが
![東寺(教王護国寺)の金堂(こんどう)](2010/08/31/01/2010-08-31-13.jpg)
金堂(こんどう)
こちらは、平安遷都と共に最初に作られた本堂です。
本尊は、あらゆる病から人々を守ってくれると言われている
薬師如来と日光菩薩、そして月光(がっこう)菩薩です。
このお寺を作ったミスター平安遷都「桓武天皇」の都を守りたい願いが表れていると言えますね★
![東寺(教王護国寺)の梵鐘](2010/08/31/01/2010-08-31-14.jpg)
梵鐘も大変見事ですっ
![東寺(教王護国寺)の寺宝](2010/08/31/01/2010-08-31-15.jpg)
こちらは寺宝です。
さて、唐での密教の修行を終え2年後日本に帰ってきた後
823年に、時の嵯峨天皇(桓武天皇の息子)より賜ります。
この嵯峨天皇は空海の事を高く評価していて大変親交が深く、乙訓寺にも空海を呼び寄せたりしています。
そんな二人の接点というのが
「書」だったんですね。
嵯峨天皇は書の達人でもあり、「三筆」の一人に数えられ、空海もまたその一人でありました。
※先ほどもご説明した通り、空海も「一筆」により人々を納得させる程の腕前でしたよね。
「空海という達筆な僧がいる」という噂を聞きつけていた嵯峨天皇は
自分宛に書を書くように空海に伝えました。
そこから親交が始まったようです。
そんなある日、嵯峨天皇が空海にあるものを見せます。
それは唐から手に入れた
嵯峨天皇お気に入りの書だったのです。
嵯峨「誰が書いたかはわからんのだが、この字はすごい。これを書いた唐のヤツは、さぞかしスゴいヤツなんだろう。そう思わんか?」
空海「・・・。」
嵯峨「どうしたんだ?」
空海「じつは、それ私が書いたものなんです!」
嵯峨「なに!?でも、書体がお前さんと違うではないか?」
空海「その表装(表紙)の左端を少しめくってもらえればわかります」
なんと、そこには小さい字で「沙門 空海」と書いてあったそうです。
これには嵯峨天皇もびっくり
空海によると、唐では唐に合わせた書体を、日本では日本に合わせた書体を使い分けていたそうなんですね。
これには嵯峨天皇も見事と、唸りを上げたと言われています。
そんな彼ら二人が作り上げたお寺とも言われる東寺はコチラ↓
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