メモ2013-11-26
テーマ:その他
関連:百人一首に登場する名所 その2 / 百人一首に登場する名所 その3 / 

百人一首に登場する名所 その1

今回ご紹介するのは、百人一首に登場する京都の名所です。

鎌倉時代初期の歌人で公家・藤原定家(ふじわらのていか)が

選定した百人一首には

平安時代に詠まれた歌が数多く収録されています。

その中から、歌にまつわる京都の名所をご紹介したいと思います


・大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみも見ず 天の橋立

こちらは平安時代後期の女流歌人

小式部内侍(こしきぶのないし)が詠んだ歌です。

※ちなみに彼女は、恋多き女で知られる和泉式部の娘なんですよ。詳しくは和泉式部ゆかりの地巡りの記事をご覧下さい。


では早速、訳してみましょう!


母(和泉式部)のいる丹後(丹後半島)はたいへん遠く

都から大江山(現、大枝山・京都市と亀岡市の間に位置する山)を越え

更に生野(いくの・京都府福知山市生野)の道を進んで行かねばなりません。

私は、その先にある天橋立(あまのはしだて)を見たこともないし

もちろん母からの便りなんて来るはずもないわ

※ここで詠まれている大江山は、丹後地方にある大江山とは違うそうです。


といった感じでしょうか。

天橋立

ここで登場する天橋立は、日本3景の1つになるほどの絶景ですが

都からは大変遠く、気軽に行ける距離ではないんですよね。


ちなみ、小式部内侍の詠む歌はあまりにデキが良すぎて

影で『彼女の歌は母親が書いたものなんじゃないか?』と噂をされていたようです。

なので、母親と別れて過ごしていたこの頃

「母親に歌を詠んで貰わなくて大丈夫ですか?」なんてイヤミを言われた事から

その返答として、この歌を詠んだそうですよ


・わが庵は 都のたつみ しかぞ住む 世をうぢ山と 人はいふなり

これを詠んだのは、平安時代初期の僧・喜撰法師(きせんほうし)です。

彼は都の喧騒を離れ、宇治の山奥でひっそりと暮らしていたと言われています。


では早速、訳してみましょう!


ワシの住んでる庵は、都の東南(辰巳の方角)にあり

そこ(宇治の山奥)でひっそり生活しているんだけど

皆は、俺の事を『都から逃げた情けないヤツ』だなんて言うんだよ。。まったく。。


といった感じでしょうか。


歌碑

宇治神社には、同様の歌碑もあるんですよ。


都から離れて暮らしているだけなのに

世間から見れば喜撰法師は、都の生活が辛くて逃げ出した情けないヤツだと

思われていたみたいですね。


彼は、そんな事で噂話をしたり、勘ぐったりする人たちを

批判する形で、宇治にてこの歌を詠んだようです


・小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむ

これを詠んだ貞信公(ていしんこう)とは

平安時代中期の歌人・藤原忠平の事です。


彼は菅原道真が政敵として、大宰府に左遷された際も

貴族の中でただ一人、道真を励ましていたと言われています。

左遷された道真が死んだ際、宮中で不幸が次々起こり

道真の祟りなのではないか?と言われていた際も

藤原忠平だけはピンピンしていたそうです

※詳しくは北野天満宮 その2の記事をご覧下さい。


少し、話が脱線してしまいましたが・・・

では早速、訳してみましょう!


小倉山(おぐらやま)に咲く紅葉(もみじ)よ。

お前にも心があるなら、もう一度

天皇様が行幸されるその日まで

散らずに、そのままの姿で待っていてくれないか?


といった感じでしょうか。

ちなみに、この小倉山は嵯峨野エリア(京都市北西部)にある山で

百人一首が選定された時雨亭もここに建っていたと言われています。


二尊院

この小倉山のふもとには数々の紅葉がスポットもあり

こちらの二尊院


落柿舎

向井去来(むかいきょらい・江戸時代の俳人)の草庵である

落柿舎(らくししゃ)なんかが有名なんですよ


常寂光寺

この他にも、藤原定家の木像が安置されている

常寂光寺(じょうじゃっこうじ)などもあります。

ちょうど今、紅葉のシーズンですし、一度回られてみてはいかがでしょうか?


・由良の門を 渡る舟人 かぢをたえ ゆくへも知らぬ 恋の道かな

こちらは平安時代中期の歌人・曽禰好忠(そねのよしただ)の詠んだ歌で

彼の恋心が表現されている歌なんですね


では早速、訳してみましょう!


由良の門(ゆらのと・由良川の河口)を渡る船が

かぢ(船を漕ぐ為の道具・今でいうオール)をなくして

行く先も分からず漂っている。

まるで、私の恋と同じですね・・・。


といった感じでしょうか。


由良川とは、京都・滋賀・福井にまたがる三国岳(みくにがたけ)を

源流域とする川で、京都でもっとも長い川と言われています

※由良川について詳しくは京都で一番○○なもの その5の記事をご覧下さい。


その河口にあたるのが『宮津』と呼ばれる地であり

ここで日本海と繋がるんですね


宮津祭

宮津は日本海に面した街で、城下町として栄えました。

こちらは宮津の有名な祭『宮津祭』です。

※海と神輿の組み合わせがなんだか新鮮です。宮津祭について、詳しくは宮津祭(山王宮日吉神社)の記事をご覧下さい。

という事で今回は百人一首に登場する名所をご紹介させていただきました


場所はコチラ↓


より大きな地図で 百人一首に登場する名所 その1 を表示