メモ2014-10-29
テーマ:京の名水
関連:京都御所 / 拾翠亭 / 京都御苑 / 祐井 / 御所三名水 / 

縣井

今回ご紹介するのは

京都御苑内にある

縣井

縣井(あがたのい、またはあがたい・県井)です!


縣井は平安時代以来の名水で

京都三名水の1つとして数えられた

名水なんですよ


平安時代に作られた

和歌を中心とした歌物語である

『大和物語(やまとものがたり)』には

病気を治す水として紹介されていたりします


ちなみに京都三名水は

縣井、醒ヶ井(さめがい)、染井(そめい)です。

染井梨木神社境内にあります。詳しくは、梨木神社 その2の記事をご覧ください。


また縣井は御所三名水

1つにも数えられているんですよ~

※残り2つは京都三名水に含まれている染井と、祐井(さちのい)です。


けれど現在は枯れてしまって

実際に飲むことは出来ないんですね


ちなみにこちらの縣井のある場所は

京都御苑内の中立売御門北側


旧一条邸の屋敷跡

旧一条邸の屋敷跡にあるんですよ。

※現在は井戸の側に宮内庁京都事務所があります。


一条とは、五摂家(藤原家を祖とする5つの名家)の1つです。


駒札

駒札によりますと

昭憲皇太后(しょうけんこうたいごう)の

産湯に使われたと書かれていました。

もちろん昭憲皇太后も一条家の出身です


昭憲皇太后についても少し触れますと

昭憲皇太后は

華族女学校(現在の学習院女子高等科)や

東京女子師範学校(現財のお茶の水女子大学)を

設立したことでも知られているんですね。


また、1912年(明治45年)には

第9回赤十字国際会議で

国際赤十字に10万円を下賜されました。


え?10万円?と思っていませんか

当時のお金での話しですよ!


この値段は現在の金額にすると

なんと!3億5000万円とも言われているんですね~


この莫大な資金を基にして

赤十字国際委員会は

昭憲皇太后基金を創設しました。


現在でも昭憲皇太后基金は運用されていて

昭憲皇太后の命日である4月11日には

利子が配分されているそうです。


ちなみに昭憲皇太后は明治天皇の皇后ですから

皇太后ではなく皇后なのでは?

という疑問があるかと思うんですけれど

これには複雑な理由があるようです

※詳しくは明治神宮のホームページに記載がありましたのでそちらをお読み下さい。


縣井戸と刻まれています。

縣井戸と刻まれています。


そんな昭憲皇太后ゆかりの縣井の側には

昔、県宮(あがたのみや)という祠があったと言われています


井戸の周りは山吹がたくさん生えていたようで

続後撰和歌集(ぞくごせんわかしゅう)には

後鳥羽上皇(ごとばじょうこう)が

「蛙鳴くあがたの井ど忙春くれて咲くやしぬらん山吹の花」

と詠んだ御製(ぎょせい・天皇が詠んだ和歌)が収録されています。


また、後撰和歌集には

橘公平女が

「都人きてもをらなん蛙なくあがたのゐどの山ぶきのはな」

と詠んでいるんですよ


そして地方官任命の儀式である

県召(あがためし)の除目(じもく)の際には

任官を望む人がこの場所へ

大勢祈願しに来たと言われています。

※儀式はお正月の1月11日から3日間行われていたそうです。


残念ながら縣井の水を飲む事は

出来なくなってしまいましたけれど

同じ御苑内には現在でも湧き出ている

染井の水を飲む事が出来るので

訪れた際は名水を味わってみてはいかがでしょうか。


そんな昭憲皇太后ゆかりの縣井の場所はコチラ↓


より大きな地図で 縣井 を表示

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