メモ2015-04-28
テーマ:お寺

西岸寺(油懸地蔵)

今回ご紹介するのは

京都市伏見区にある


西岸寺(さいがんじ)


西岸寺(さいがんじ)です!


近くには龍馬が襲撃された

あの有名な寺田屋(てらだや・宿屋)や

白菊井(しらぎくい・名水)、御香宮神社(ごこうのみやじんじゃ)が

あるエリアになるんですよ

※寺田屋については寺田屋騒動址 その2の記事を御香宮神社については御香宮神社 その2の記事をご覧ください。


こま札


西岸寺

知恩院に属する浄土宗のお寺で

山号を油懸山(あぶらかけざん)というそうです。


油懸山

という所にツッコミをしたい人もいると思うんですけれど

その事については後ほど詳しくご紹介しますね


1290年(正応3年)に
伏見天皇(ふしみてんのう・第92代天皇)が
篤く信仰していた地蔵尊から
不思議な霊験を得て1317年(文保元年)
現在地にあった伏見院別御殿を下賜し
地蔵尊を安置したといわれています。


その後、1590年(天正18年)に

岸誉雲海(がんようんかい)が

西岸寺を創建したと伝わっています。


ちなみに1868年(慶応4年)の鳥羽伏見の戦いによって

お寺は焼失してしまったそうなんですけれど

1978年(昭和53年)に再建され現在に至るそうですよ~


それでは早速、中に入っていきましょう


境内に入って左手に見えてくるのが

先ほどご紹介した地蔵尊を安置する地蔵堂です


地蔵堂


安置されているのは鎌倉時代の作と伝わる
油懸地蔵(あぶらかけじぞう)という
変わったネーミングのお地蔵さんなんですね。


油懸地蔵ののぼり


この油懸地蔵に油を注いで祈願すると

願いが叶うといわれています♪


油懸地蔵


もう殆どの人が山号との関係に

ピン!ときたと思うんですけれど

もう少し詳しくご紹介しますね~


なんでも昔、山崎に住んでいた油商人が

油の入った桶を持ってこのお寺を通った時

つまづいて転び、持っていた油をこぼしてしまったそうです

※山崎は京都府の南西部にあり大阪と隣接しているエリアです。


商人がおそるおそる桶の中を覗いてみると・・・


油はほとんど残ってなかったんですね


今でならドジっ子の油商人として

笑話になると思うんですけれど

当時、油はとても貴重なものだったので

商人はとっても落ち込んだと思います


その後、桶の底にわずかに残っていた油を
近くにあったお地蔵さんに注ぐと
そのまま行商に出かけたそうですよ。


恐らく貴重な油を

お地蔵さんに注ぐ事で

商売繁盛の祈願をしたんだと思います


すると、不思議な事に
日に日に商売は上手くいき
お店は繁昌し、お金持ちになったと
伝わっているんですね~


凄いご利益ですよね


それ以来

このお地蔵さんの事を油懸地蔵と呼び

油をかけて祈願すれば願いが叶うと

信じられているそうなんですよ~


地蔵堂の額

地蔵堂にかけられている額


現在、油は約2センチ!も積もっているそうです!

それ程、祈願されに訪れる人がいるという事ですよね


西岸寺の山号が油懸山と言うのは
こういった事からだったんですね~♪

ちなみにお寺のある場所は下油懸町といいます。


下油懸町


そんな油懸地蔵は
普段は閉じられているんですけれど
毎週金曜日の13時から15時の間だけ
油懸祈願をする事が出来るんです!

訪れる際は時間に気をつけて下さいね。

※京都には油懸地蔵のように油をかけて祈願するものが右京区にもあり、そちらは油掛地蔵といいます。


こちらは本堂です。


本堂


本堂には定朝(じょうちょう)の作と伝わる

阿弥陀如来像が安置されているそうです。


この他、境内には

1805年(文化2年)に建立された

松尾芭蕉(まつおばしょう)の

句が書かれた芭蕉塚があります。


芭蕉塚

自然石に「我衣に ふしみの桃の 雫せよ」と刻まれています。


1685年(貞享2年)に芭蕉が高徳を慕っていた
西岸寺第3世住職である
任口(にんこう)を訪ねた際に
出会えた喜びを当時の伏見名物の桃に事寄せて
「我衣に ふしみの桃の 雫せよ」
と詠んだものなんだそうですよ♪


桃の雫に一体どんな意味が!?

と思いますよね。


これは

「伏見の桃から滴る雫が私の衣を濡らすように
任口上人の高徳も私の身にもらいたい!」

といった意味になるんだと思いますよ


伏見には魅力的な場所が

たくさんあると思うんですけれど

もし、ふらりと訪れたのが金曜日の昼過ぎなら

霊験あらたかな油懸地蔵に

お参りをしてみてはいかがでしょうか


そんな西岸寺の場所はコチラ↓



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