メモ2014-11-17
テーマ:お寺

油掛地蔵

今回ご紹介するのは

京都市右京区にある

油掛地蔵

油掛地蔵(あぶらかけじぞう)です!


油掛地蔵なんて

とってもユニークな名前のお地蔵さんだと

思いませんか??


油掛地蔵のお顔や体を見てもらえば

わかるかと思いますけれど

油がベットリとかかっていますよね


油を掛けて祈願する油掛地蔵

初めて見た人はきっと

ビックリしていると思います


実は名前の通り、油掛地蔵は

油を掛けて祈願するといった

ものなんですよ~!!


水をかけるというのは

色々なところにありますから

不思議ではないんですけれど

油をかけるとなると

チョット珍しいですよね


縁起

お堂の縁起によりますと

油掛地蔵は鎌倉後期の1310年(延慶3年)に

平重行(たいらのしげゆき)という人物が建立したそうで

油掛地蔵に油をかけると

祈願成就すると言い伝えがあると書かれています。


また、このお地蔵さんは

近年の調査でわかったんですけれど

実は地蔵尊ではなく

阿弥陀如来だったというんですね


阿弥陀如来坐像の高さは170センチメートルと書かれています。

阿弥陀如来坐像の高さは170センチメートルと書かれています。


長年にわたって油がかけられてきたので

油で石仏の顔が良くわからず

ずっとお地蔵さんだと思ってたようです。

※ちなみに京都には油掛地蔵のように油をかけて祈願するものが伏見区の西岸寺にもあり、そちらは油懸地蔵といいます。


お堂に掛けられていた額

お堂に掛けられていた額です。『油掛地蔵尊』と書かれています。


そんな油をかけて祈願する

油掛地蔵なんですけれど

どうして油をかけるようになったのか

気になりますよね~


油掛地蔵については

黒川道祐(くろかわどうゆう)という儒医(じゅい)が

記した書物『近畿歴覧記(きんきれきらんき)』の

『嵯峨行程』に書かれています。

※黒川道祐は、江戸時代に刊行された地誌『雍州府志(ようしゅうふし)』の著者で知られています。


そこで嵯峨行程を見てみると・・・


「油掛ノ地蔵此邊ニアリ

凡ソ油ヲ賣ル人、此ノ所ヲ過ルトキハ、

必ス油ヲ此ノ像ニ灌イテ過ク、然不知其由」

と書かれています。


つまり・・・


「油掛地蔵はこの辺りにあり

油を売る人がこの場所を通り過ぎる時は

必ず油をこの像に注いでから過ぎる

けれどもその由来は知らない」

とあります。


油掛地蔵を正面から

え?知らない


という事で

どうして油をかけるようになったのかは

わかっていないんです


京都は応仁の乱等、度重なる火災によって

多くのものが消失しているので

油掛地蔵の云われも

燃えて無くなってしまったのかも知れませんね

※応仁の乱について詳しくは、銀閣寺(慈照寺)の記事をご覧ください。


それにしても油といえば

離宮八幡宮の所でもご紹介した通り

電気のなかった時代にとって

大変貴重なものだったと言われています。


小さな地蔵

お堂の左下にも小さな地蔵が祀られていました。


油掛地蔵は

そんな貴重な油を注がれるほど

お参りする人に

信仰されてたということですよね


そんな油掛地蔵の場所はコチラ↓


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