メモ2012-03-18
テーマ:お寺

雲龍院

こんにちは京子です。

本日、ご紹介する寺院は・・・

雲龍院入り口

雲龍院(うんりゅういん)です。

京の冬の旅(非公開文化財特別公開)

現在『京の冬の旅(非公開文化財特別公開)』にて

公開中の寺院のひとつです。


こま札

雲龍院は泉涌寺(せんにゅうじ)の塔頭であり

日本最古の写経道場としても有名な寺院です

※場所は泉涌寺・本坊の少し南に位置します。


写経道場

後水尾天皇によって寄進された机が今でも使われています。


創建は1372年。

後光厳天皇(ごこうごんてんのう)の勅願によって建てられました。

『三種の神器』や上皇からの指名もないまま

即位された天皇として有名です。


後光厳天皇が即位した時は

天皇家(皇室)が2つに分かれていていた

南北朝時代です。

※ちなみに、後光厳天皇は北朝の4代天皇でした。


南北朝時代が出来たきっかけに関しては

天龍寺の記事をご覧下さいね。


では

早速、雲龍院をご紹介していきましょう。

石畳

門を潜ると石畳が整備されていました。

そして、正面に見える玄関に入ると

龍

龍が出迎えてくれます。

なんと、この龍は右から見たときと左から見たときで、

顔の長さが違ってみえるんですよー。

写真でも確認出来るので是非お試しくださいな

禁酒・稚児の酒いつも飲みたや

こちらの掛け軸の意味が分かりますか


右側の掛け軸には、

「ち」が五個書かれていますよね。

つまり、「稚児」という意味です。

その順序で、「も」はわかりますか

五つの「も」で、「いつも」

「の」が三つで、「飲み」

「た」が八つで、「たや」

これを掛け軸の通りにつなげてみると・・・

「稚児の酒いつも飲みたや」

という言葉が出来上がります

鎌倉時代の大工さんの落書きなんだそうですよ


では、左側はどうでしょうか

まずは、右側の行からみてみましょう。

これは「林の下に祖師が半身を現す」と読むことが出きますよね。

つまり、「禁」という文字になるのです。

林の下は「示す」という漢字になっていますよね。

そうなんです。

「祖師の半身」とは、「祖」を半分にすると「しめすへん」が残りますよね。

「しめすへん」が「林」の下にくる漢字と言えば

「禁」というわけなんです


では、左の行はどういう意味でしょうか

右側の行と同様に、「水辺で尊者が頭と脚を隠す」と読むことが出来ますよね。

「水辺」・・・と言えば何が思い浮かびますか

そう「さんずい」ですよね。

次は、「頭」と「脚」を隠さなければなりません

試しに、「尊」の時の頭にある2つの点と

脚にあたる「寸」の字を取ってみると

どこかで見かけた漢字が出てきましたー

「酉」ですね

これを、さんずいへんに加えると・・・

皆さんご存知「酒」という漢字の出来上がりです。

つまり、右側の「禁」という字と合わせて

「禁酒」という意味でした

面白い言葉遊びですね。

龍華殿

こちらは『龍華殿(りゅげでん)』です。

本堂になります

重要文化財にも指定されており、堂内には

薬師三尊像を祀っています。

※薬師如来を中心に、左右に日光菩薩・月光菩薩(がっこうぼさつ)が配置されているんですね。


勅使門

龍華殿から見た勅使門

双龍風雷図

この他にも、水墨画家の堂野夢酔(どうのむすい)による

襖絵『双龍風雷図』なども公開されていました。

さすが、現役の画家の方という事で

筆のタッチも

双龍風雷図2

現代風にデフォルメされた

龍や風神・雷神が描かれていました


霊明殿

そして次にご紹介するのは『霊明殿』です。

中には天智天皇、そして光仁天皇から昭和天皇まで

歴代の天皇・皇后の位牌が安置されています。

徳川慶喜寄進の灯篭と菊のご紋

徳川慶喜寄進の灯篭です。砂が菊のご紋を描いているんですよ♪

この他にも後光厳天皇や後円融天皇(ごえんゆうてんのう)の木像が

安置されていました


九曜星本尊

この他にも星供(ほしく)と呼ばれる星を供養する節目に祀る

九曜星ごとの本尊『九曜星本尊(くようせいほんぞん)』を見る事が出来ましたよっ

絵として描かれる事は多いそうですが

仏像としては珍しいみたいですね。

※九曜星(くようせい)とは古くインドで占いのために用いられた9個の星の事です。


そして、次にご紹介するのは・・・

書院です。

見所はなんと言っても『悟りの窓』と『迷いの窓』です

悟りの窓

丸い形をした『悟りの窓』は

宇宙を表していると共に、禅と円通(観音様)の心を表現したものです。

つまり、禅の無心さと、観音様のような穏やかな心を表しているのですね

禅の悟りの境地が窓によって表現されています。

迷いの窓

四角い形をした『迷いの窓』は

生老病死(しょうろうびょうし)の4つを表しています。

人生における4種類の苦悩(生まれる事・老いる事・病気・死)を

表現しています。

※ちなみに、同様の窓は源光庵にもあります。詳しくは源光庵 その1の記事をご覧下さい。


書院庭園

書院庭園


そんな見所満載の雲龍院の場所はコチラ↓


大きな地図で見る

最寄の交通案内

 JR 奈良線 東福寺駅(とうふくじえき)
 京阪電車 京阪本線 東福寺駅(とうふくじえき)
 市バス 202・207・208系統 泉涌寺道(せんにゅうじみち)

1 ■雲龍院

掛け軸の言葉遊び、なかなか奥が深いですねー

しばらく考えないと理解できませんね(>_<)

飲み屋さんでたまにみかける「春夏冬中」みたいです(^O^)

ほたてこはくさん 2012-03-19 12:37:09

2 ■Re:雲龍院

>ほたてこはくさん
飲み屋さんの「春夏冬中」はそういう意味だったのですね~
面白いですね(^O^)

京子 2012-03-19 19:22:59


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