今回ご紹介するのは

京都市左京区の大原(おおはら)にある


乙が森(おつうがもり)

乙が森(おつうがもり)です!


乙が森は、寂光院(じゃっこういん)の

入り口にあって、近くに

草生川(くさおがわ)が流れています


そんな乙が森の詳しい沿革や由来等は
わかっていないそうなんですけれど
その昔、大蛇の首を埋めた場所といわれ
現在では、『龍王大明神
(りゅうおうだいみょうじん)』と刻まれた
石碑が建てられています


「龍王大明神」と刻まれた石碑

「龍王大明神」と刻まれた石碑


大蛇の首を埋めたなんて

ちょっと怖いと思ってしまうんですけれど

実は乙が森には、悲しい『おつうの伝説』

伝わっているんですね


乙が森の説明板

乙が森の説明板


おつうの伝説とは・・・


その昔、大原に『おつう(於通)』という

美しい女性が暮らしていたそうです


ある時、若狭(わかさ)の殿様が上洛した際

おつうは、その殿様に見初められたそうで

玉の輿(たまのこし)となって

若狭へと嫁いでいったそうです


おつうは若狭で

まるで夢でも見ているかのような

幸せな生活を送っていたそうなんですけれど

やがて病に倒れてしまい

殿様の心も離れ、大原の里へと

帰されてしまいました


乙が森にある燈籠

乙が森にある燈籠


おつうは、悲しみのあまり

大原川の女郎ヶ淵(じょろうがぶち)に

身を投げてしまうんですね


けれど、その瞬間!
先程までの美しかったおつうが
なんと!大蛇の身に
変貌したというんです


その後、若狭の殿様が再び

大原の地を訪れた際

花尻橋(はなじりばし)に差し掛かった辺りで

大蛇の身となったおつうが現れ

殿様の行列に襲いかかったというんですね


乙が森にある扇型の手水鉢

乙が森にある扇型の手水鉢


大蛇は、殿様の従者によって

一刀のもとに切り捨てられ

首と尾を切り離されてしまいました


けれどその日以来

この辺りでは不思議な現象が起こります。


雷雨が毎日続き、悲鳴のような声が

どこからともなく聞こえるようになったというんですね


里人達は、これを大いに恐れて
これは大蛇の祟りであると考え
大蛇の首は『乙が森』に
大蛇の尾は『花尻の森』に
埋めて供養をしたそうです


今でも大原の里にかかる朝もやは

大蛇の姿に棚引いているそうで

乙が森と花尻の森では毎年

藁で作った大蛇の頭、胴、尾を奉納し

乙の法要が営まれているんだそうですよ


乙が森の前の比叡山

乙が森の前の比叡山


これがおつうの伝説なんですけれど

実はこの話には、いくつかの

ストーリーの違う話があって

今では、いろいろな話が合わさったものと

考えられているようです。


江戸時代の1702年
(元禄15年)に編纂された
『山州名跡志
(さんしゅうめいせきし)』には
夫を恨んだ京ナル女が
大蛇の身となって
男を襲うという『大原物語』が
紹介されています


一説によると、この大原物語が

現在のおつうの伝説の

ベースになっているのではないかと

考えられているんですね。


いずれにしましても、大原の地に

悲しい女性がいたという点においては

それぞれのお話に共通しています


という事で今回は

悲しいおつうのお話が伝わる

乙が森をご紹介しました


乙が森の場所はコチラ↓

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