本日ご紹介するのは

扇塚

扇塚(おおぎづか)です!


この扇塚なんですけれど

実は京都にいくつかあるんですね~

それを今回は一挙にご紹介したいと思います!


まず、一番有名どころをご紹介しましょう。


①五条大橋の扇塚

五条大橋の扇塚

五条大橋のたもと

五条大橋西北詰にある扇塚です。


こちらは有名ですから

ご存知の方も多いのではないでしょうか


清水寺方面に向かう時に

車で五条通りを通っていると


左側に今何かあったような・・・


と思って気にしていた方も多いはず!?

その一瞬で見えたものが扇塚なんですね。


何を隠そう、この扇塚、なんと

扇発祥の地を記念して建立されたんですよ~


扇は平安時代初期

木簡(もっかん)から派生して作られたもので

この地で作られたと言われています。

※木簡とは、短冊状の細長い木の板で、今でいうメモ用紙の様な使われ方をしていました。


かつては扇を作るお店が

たくさんあったみたいです


そこで、この地の歴史を

詳しく紐解いてみたいと思います。

石碑

ここ五条大橋のほとりに

通称、御影堂(みえどう)と呼ばれる

時宗のお寺、新善光寺(しんぜんこうじ)がありました


そこに1人の女性が出家します。

彼女は謡曲『敦盛(あつもり)』で有名な

源敦盛(みなもとのあつもり)の許婚であった玉琴姫(たまことひめ)です。


敦盛が一ノ谷の合戦で亡くなると

菩提を弔うために出家するんですね。


彼女は蓮華院尼(れんげいんに)と名乗り

お寺のお坊さんらと共に

扇を作ったと言われています。


その扇は御影堂扇(みえどうせん)と呼ばれ

最上の扇として大変有名になったそうですよ


その後、この辺りには

扇工が集まるようになりました。

※扇子を作る人は『御末広師』と言われるそうです。


その様子は1787年、江戸時代の後期に発行された

京都名所案内『捨遺都名所図会(しゅういみやこめいしょずえ)』にも

『御影堂扇折』として紹介されています。


現在では、扇屋さんの賑わいはありませんけれど

少し前まで扇の骨を乾かす光景が

見れたそうですよ


扇形の碑

1960年3月15日に

かつてを偲び御影石で作った扇形の碑を建立しました。


そもそも扇というのは

扇子とも呼び

今でも馴染みがありますよね


昔は夏の暑いときに

扇いで涼しくなること以外にも

貴族の象徴として

一年中使われていたそうですよ。


口を隠すのに使ったり

和歌を乗せたり

時には遊ぶ道具にも使われていました。

投扇興

こちらは『投扇興(とうせんきょう)』といって

江戸時代のお茶屋遊びです

※詳しくは、ひいなまつり 2012(市比賣神社)の記事をご覧下さい。


ちなみに京扇子は

経済産業大臣指定の伝統工芸品の1つで

桃山時代には、現在のような技法が確立されたそうです。


現存する最古のものは

平城京二条大路出土のものと

東寺の食堂にある

ご本尊『千手観音』の腕内に奉納されていた

檜扇(ひおうぎ)と言われています


それでは話を戻しまして

扇塚をご紹介していきましょう。


誓願寺(せいがんじ)の扇塚

誓願寺の扇塚

誓願寺と言えば、

河原町(かわらまち・京都の繁華街)のど真ん中にあり

落語発祥のお寺と呼ばれています


京都で芸能に励む人たちは自分の使っていた扇子を

この塚に納めて祈願するようになったそうですよ。


願いの書かれた扇子

ちなみに境内には

芸道に生きる人たちの願いが書かれた扇子が

並べられていました。


二尊院(にそんいん)の扇塚

二尊院の扇塚

こちらの扇塚は二尊院に建てられているものです


山内流始祖と2代目

吉村流開祖と2代目、3代目の家元を弔い供養するために

人間国宝の日本舞踊家・上方舞吉村流第4世家元の

吉村雄輝(よしむらゆうき)さんらが建てたものだそうです。


さらに

京都では扇を使った祭事が

多数行われているのでご紹介しますね♪


葵祭(5月15日)

葵祭

葵祭では扇を持った

斎王代以下女人列(さいおうだいいかにょにんれつ)

が参列しています。

斎王代

斎王代が、美しい檜扇を手にしていますよね

※斎王代や葵祭については詳しくは、葵祭 2012(上賀茂神社下鴨神社)の記事をご覧下さい。


三船祭(5月第3日曜日)

車折神社(くるまざきじんじゃ)が行う三船祭では

足利尊氏の故事にちなんで

扇流しが行われます。

扇流し

天龍寺へ参詣の時に

お供が誤って川に落した扇が

川面を流れる優美な様を見て

とても喜んだそうですよ

とても優雅な感じがしますよね~。

三船祭について詳しくは、三船祭 2012(車折神社)の記事をご覧下さい。


③事初め(12月13日)

舞妓さん達が

京舞井上流の家元から

舞扇をもらう光景が毎年テレビで放送され

京都の師走の風物詩にもなっているんですね。


以上、本日は京都の伝統的工芸品である扇に関する扇塚をご紹介しました~


扇塚のある場所はコチラ↓


より大きな地図で 扇塚 を表示
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