今回も、幕末の石碑を1つご紹介したいと思いますっ。

それは・・・

桂小五郎幾松寓居趾

桂小五郎幾松寓居趾(かつらこごろういくまつぐうきょあと)です


長州藩出身で、維新の三傑にも数えられる

桂小五郎(木戸孝允)と、その妻である幾松(後の木戸松子)が

かつて過ごしていた場所なんですね。

さて、桂小五郎に関しては皆さんもご存知だと思いますので

今回は、奥さんである幾松の事を中心にお話したいと思います!

※桂小五郎(木戸孝允)については桂小五郎ゆかりの地巡りをご覧下さい。


この場所は長州藩邸(河原町御池・現ホテルオークラ)の

すぐ向かいに位置しています

かつて桂小五郎は長州藩邸と、高瀬川を隔てた向かいに

家を借り住んでいたんですね


これこそが現在、『桂小五郎幾松寓居趾』の石碑が建っている場所なのです。

※この事から長州藩邸の別邸という位置付けでもあったようです


長州藩邸を出てここに住み始めた桂小五郎は

当時、恋仲であった幾松と一緒に暮らし始めるようになるんですね。


彼女はもともと、若狭小浜藩士(福井県)の娘で

8歳の時、養子になった事がきっかけで京都に出てきたそうです。

その後、花街『三本木(さんぼんぎ)』で芸子をしていたところ

2人は出会ったそうです。

※三本木は京都御所の南東角辺りにかつてあった花街です。


ちなみに、2人が出会ったのは1861年だと言われています。

薩長同盟の5年前なんですね~。


禁門の変(蛤御門の変)の後

桂小五郎や長州藩士は新撰組などから追われる立場となりました。

※禁門の変とは、池田屋事件によって有能な同士を殺害された長州藩が挙兵し、京都御所周辺にて勃発した戦いです。詳しくは木屋町界隈の史跡 その2の記事をご覧下さい。


幾松はそんな彼を見事に守り抜いた女性として

知られているんですね!


有名なエピソードとして

当時、住んでいたこの屋敷で起こった出来事が有名です。


桂小五郎と幾松が一緒にいた際

ここを訪れたのが、新撰組の近藤勇(こんどういさみ)っ!!

「ダメだ、このままでは捕まるっ」と思った幾松は

機転を利かせます。


部屋にあった長持(ながもち・収納具・櫃のようなもの)に

桂小五郎を隠しちゃったんですね


それまで散々屋敷をひっかき回していた近藤勇は

最後に幾松のいるこの部屋を訪れ

・・長持に手をかけようとした、その時っ

幾松はビシっと一言、近藤勇に告げたそうです。


「誰もおらんと言っているのに、これだけ屋敷を荒らし回って

私に恥をかかせてくれはりましたな。

もし、この長持にも誰も隠れてないとなると・・

近藤はん!責任とって切腹してくれはりますね!?」

と詰め寄ったと言います。


これに対して、近藤は「すまなかった。」と長持には手をかけず

屋敷を後にしたと言います。

んー、すごい度胸ですねっ。


この他にも、当時の屋敷には追手からすぐに逃げれるように

抜け穴や、のぞき穴などもあったそうですよ


極めつけは、つり天井で

天井の上に750kgの石を吊り下げて

いざという時に備えていたなんて言われているんですね。


肝が座っている女性であった事が分かりますね(汗)


ちなみに、この屋敷は現在料亭(料亭幾松)となっていて

館内には『幾松の部屋』というものが残されているそうですよ


こうして苦楽を共にしてきた2人は

維新後、ついに結婚し、幾松も木戸松子に名を改めました。

その頃は、この屋敷には住んでおらず東京にいたようです


その後、1877年に木戸孝允(桂小五郎)は明治天皇の行幸に伴い

京都にやって来た際・・・病に倒れます。

この頃は、もう1つの京都の屋敷(現・木戸孝允旧邸)にて

養成していたようですが、残念ながら

松子(幾松)に看取られ亡くなったと言われています。


その後、彼女は剃髪し翠香院(すいこういん)と号し

2人がかつて住んでいた

この屋敷(現在の料亭幾松)に戻り、余生を過ごしたと言われています。


そんな桂小五郎幾松寓居趾の場所はコチラ↓


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