今回ご紹介するのは、10月22日に行われた・・・

鞍馬の火祭

鞍馬の火祭です

※上記の写真は2012年のものを使用しています。


これは由岐神社(ゆきじんじゃ)の祭で

鞍馬(京都市北部)に伝わる、伝統的な神事です

その歴史は古く

940年に朱雀天皇(すざくてんのう・第61代天皇)が

御所に祀っていた由岐明神を

この鞍馬の地に鎮座させた事を起源としているんですね

由岐明神が鞍馬にやって来る際

鉾を先頭に、手には松明を持った1キロにも及ぶ行列で

来たそうです。


この際、鞍馬の村人が『かがり火』を焚いて

出迎えた事に由来する祭で

この儀式と 由岐明神の霊験を後世に伝える為に

毎年、鞍馬の人達によって行われているんですね

※鞍馬は、牛若丸でおなじみの源義経が幼少期を過ごした事で知られています。この他、鞍馬天狗なんかが有名な所なんですよ。詳しくは鞍馬寺 その1、鞍馬寺 その2の記事をご覧下さい。


由岐神社は、この際に建てられた社を起源とする神社で

鞍馬寺もある『鞍馬山』のふもとに位置しています。

由岐神社について詳しくは由岐神社の記事をご覧下さい。


そんな鞍馬に伝わる火祭は

毎年、多くの観光客や地元の人たちでにぎわい

京都3大奇祭』の1つと言われています

鞍馬の街中を松明の火で埋め尽くし

鞍馬街道(鞍馬寺の前を通る道)の約1キロの区間を

松明や神輿が練り歩きます!


2基の神輿

鞍馬寺の前(仁王門前)には、すでに2基の神輿や、剣鉾が用意されていました。ちなみに、この火祭は鞍馬の7つの住民組織(7仲間)によって行われていて、各エリアの会所にて剣鉾が祀られた後、この仁王門前に持ち寄るそうですよ。こちらの写真も去年のものを使用しています。


では早速レポートしていきましょう。

神事ぶれ

18時、仁王門前にて『神事ぶれ(じんじぶれ)』が行われ

鞍馬の火祭はスタートします。


「神事にまいらっしゃーれ」という掛け声と供に

街道に建てられた篝火(かがりび)に火が灯ります。

子供達の担ぐトックリ(子供用の松明)を筆頭に


松明を担ぐ男たち

松明は徐々に大きなものとなり、最後には大人の担ぐ『大松明』が登場します。

男達は「サイレイヤ、サイリョウ(祭礼や、祭礼の意)」という掛け声に合わせて

鞍馬街道を勇ましく練り歩くんですよ~!!

※松明を持った行列は、仁王門前に置かれている神輿の前と、鞍馬街道を南に400メートルほど下がった下大葱仲間(しもおうぞうなかま・7仲間の1つ)の会所の2箇所からそれぞれ出発します。神輿前から出た行列は500メートル北の上大葱仲間(かみおおぞうなかま)の会所まで行き、下大葱仲間から出発した行列は神輿の前まで、松明を持った行列が練り歩きます。


松明を担ぐ男たち

鞍馬街道の要所では、この大きな松明を立てていましたね~。

これは同士をたたえあう意味があるそうです。

ちなみに、この松明は6月頃より材料が用意され

約4ヶ月かけて準備をするみたいですね。

松明は、大きなもので4メートル、重さは100キロ以上もあるみたいですよっ。


篝火で松明に火をつけている様子

篝火で松明に火をつけています。


火祭に参加する男性の服装についてもご説明しますと

この正装姿は力強い男性の闘争心を表現しています。

武士の心意気を表した『向こう鉢巻き』

相撲力士の強い腰と力を示す『締込み(しめこみ・ふんどし)』

飛脚の力強く速い足を示す『脚絆(きゃはん・足袋)』

という3点に加え

背中には魔除け(災難除け)の南天(なんてん・難を転じるの意味)を

付けているんですね。


盛り砂と松明

仁王門前には盛り砂が作り、小さな松明をいくつも燃やしていました。


こうして鞍馬街道を練り歩いた後

20時頃に、由岐神社のお旅所(由岐神社から南に200メートルほどの距離)に

松明が集合します。


お旅所

ここで大松明が立てられ、注連縄伐りが行われますっ。

※注連縄は、鳥居前そして舞殿で伐っていましたよ


夜空を焦がすように、燃え盛る無数の松明は

とっても幻想的でしたよ!

続いて、今度は仁王門前の石段に移動します

ここでは、お旅所の時よりも、更に多くの松明が集合していました

資料によると100本以上の松明が集まっていたようです。

「サイレイヤ、サイリョウ」と勇ましく掛け声を上げながら

集合した松明は更にその火の勢いを増し

参加している方も、見ている方も興奮状態は・・・MAX!!!


チョッペンの儀

そして、鞍馬の火祭の見せ場の1つでもある

『チョッペンの儀』が行われますっ


まずは神輿を前に、神職の方による祝詞の奏上が行われると

男達は勇ましく神輿を担ぎ上げます。

こうして、いよいよ『チョッペンの儀』が始まるんですね~。


名前も変わっているなら、その姿も変わっていて

神輿の担ぎ棒の先(チョッペン)に男2人がぶら下がり

足をVの字型に大開脚させ、担がれながら石段を降りて行くというものです。


この、チョッペンにぶら下がる役目は一生に一度しか出来ず

鞍馬での成人式の名残りとも言われているそうですよ

21時半頃、こうして神輿は石段を下り始めます。


この時は、鞍馬の女性達が神輿の後に伸びた手綱を握り

急な参道を降りる神輿をサポートするんですね。

※女性は、この手綱を引くと安産になると言われているそうです


神輿

無数の松明で照らされた夜空の下

太鼓や、男達の勇ましい掛け声の中

2基の神輿が参道を下りて行き、鞍馬の町を練り歩くんですね。

※上記の写真は2012年のものを使用しています。


順路は鞍馬街道沿いに建つ

『上大葱仲間の会所(7仲間の一番北に位置する)』に行った後

一番南側に建つ『下大葱仲間の会所』に向かいます。

こうして7仲間、全ての会所前を通るんですよ


そして、11時頃

お旅所に神輿がやって来ると、本日のクライマックスを迎えます。


神輿の前に、担ぎ手が集合すると

『三顧の礼(さんこのれい)』が始まります

「サイレイヤ、サイリョウ」の掛け声を繰り返しながら

「ヨーイ、ヨイ」の掛け声の後

「祝うて三顧で さいりょう さいりょう」と世話役の方たちが音頭をとり

これを三度繰り返します。


※この後、神職の方による祝詞の奏上を神楽松明が境内を回り、この日は終了となるそうです。


ちなみに、この日は『鞍馬の火祭』の神幸祭にあたり

翌日(23日)は還幸祭が行われるんですね

この日は早朝からお旅所に安置された2基の神輿が

由岐神社に戻り、御霊を本殿に還して『火祭』は終了となりますっ。

そんな鞍馬の火祭が行われた由岐神社の場所はコチラ↓


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